<物語>シリーズ セカンドシーズン 第22話「第恋話 ひたぎエンド其ノ貳」
物事の優先順位。
貝木の理解した千石の本質とは。
戦場ヶ原からの依頼を受けた貝木が千石についての情報収集を行う。丸々一回それだけの話で派手な事件は殆ど無い。しかし阿良々木君が語り部のときにありがちな、本題とは全く無関係な雑談だけで尺を潰すようなものではなく、正しい意味で丁寧な展開である。
とはいえどう言ったところで地味ではある。ひとつ状況を整理しよう。『囮』は最悪の禁じ手を使ったためどこからどこまでが本当なのか、そもそも事件自体本当にあったのかどうかさえ、凄まじくあやふやになってしまった。この『恋』で千石が神になったこと、そして阿良々木くんたちを殺そうとしていることなどが語られたことで漸くあの辺のことは作中現実として実際にあったと言えるようになった。原作をリアルタイムで追いかけてた人間は半年待たされました。
ただし、確かと言えるようになったのはあくまでそれらの点だけである。それ以外の細かい点は未だ全く確証が無い。貝木の問うた、千石から何故そんな怒りを買ったのか、という話及びそれに戦場ヶ原が分からないと答えたことはその典型的なもの。この辺は完全に千石の内面に絡んだ話なので『囮』からどんな描写を持ってきても何の参考にもなりません。
言葉巧みに千石家へと入り込んだ貝木はそこで千石本人や家庭などが抱える闇の一面を見た。可愛らしさを押し付けられたような千石本人に、娘の行方不明を大して気にも留めず、開けるなと言われた扉を開けずにいる両親、そんな家族。更に神社に向かった直接千石と会った貝木は千石がどんな奴かをなるべく理解しようとした。
こうして浮かんでくる千石のイメージは今までのそれとはいささか異なる。“可愛い”という言葉が褒め言葉にはならずむしろ縛るものになっている、物事の優先順位がおかしい。いや、貝木の語ってることだからあまり信じすぎてはいけないのだが。兎に角、こういうところは視点人物を変えた甲斐があるというものだろう。他の人ではこういう見方、話の進め方は出来たかどうか。いや、出来たからなんだという気もするけど。
ところで優先順位がおかしいという貝木の千石評だが、これは別に千石に限ったことだろうか。金が全てで詐欺を働く貝木だって、変わってるといえば変わってる。ここまで極端ではなくても物事の優先順位なんて人によって結構ばらつきがあるものだ。普通の思考なんてそう簡単に決められるものではない気もする。だからといって千石の思考が常識人のそれだという気は無いのでそこのところ混ぜっ返さないように。ただ、正気と狂気との境目は考えてみれば結構曖昧なものなのだ。それこそ千石の妄想オチや貝木の嘘のように。
貝木の理解した千石の本質とは。
戦場ヶ原からの依頼を受けた貝木が千石についての情報収集を行う。丸々一回それだけの話で派手な事件は殆ど無い。しかし阿良々木君が語り部のときにありがちな、本題とは全く無関係な雑談だけで尺を潰すようなものではなく、正しい意味で丁寧な展開である。
とはいえどう言ったところで地味ではある。ひとつ状況を整理しよう。『囮』は最悪の禁じ手を使ったためどこからどこまでが本当なのか、そもそも事件自体本当にあったのかどうかさえ、凄まじくあやふやになってしまった。この『恋』で千石が神になったこと、そして阿良々木くんたちを殺そうとしていることなどが語られたことで漸くあの辺のことは作中現実として実際にあったと言えるようになった。原作をリアルタイムで追いかけてた人間は半年待たされました。
ただし、確かと言えるようになったのはあくまでそれらの点だけである。それ以外の細かい点は未だ全く確証が無い。貝木の問うた、千石から何故そんな怒りを買ったのか、という話及びそれに戦場ヶ原が分からないと答えたことはその典型的なもの。この辺は完全に千石の内面に絡んだ話なので『囮』からどんな描写を持ってきても何の参考にもなりません。
言葉巧みに千石家へと入り込んだ貝木はそこで千石本人や家庭などが抱える闇の一面を見た。可愛らしさを押し付けられたような千石本人に、娘の行方不明を大して気にも留めず、開けるなと言われた扉を開けずにいる両親、そんな家族。更に神社に向かった直接千石と会った貝木は千石がどんな奴かをなるべく理解しようとした。
こうして浮かんでくる千石のイメージは今までのそれとはいささか異なる。“可愛い”という言葉が褒め言葉にはならずむしろ縛るものになっている、物事の優先順位がおかしい。いや、貝木の語ってることだからあまり信じすぎてはいけないのだが。兎に角、こういうところは視点人物を変えた甲斐があるというものだろう。他の人ではこういう見方、話の進め方は出来たかどうか。いや、出来たからなんだという気もするけど。
ところで優先順位がおかしいという貝木の千石評だが、これは別に千石に限ったことだろうか。金が全てで詐欺を働く貝木だって、変わってるといえば変わってる。ここまで極端ではなくても物事の優先順位なんて人によって結構ばらつきがあるものだ。普通の思考なんてそう簡単に決められるものではない気もする。だからといって千石の思考が常識人のそれだという気は無いのでそこのところ混ぜっ返さないように。ただ、正気と狂気との境目は考えてみれば結構曖昧なものなのだ。それこそ千石の妄想オチや貝木の嘘のように。
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物語シリーズセカンドシーズン 第22話「恋物語 ひたぎエンド 其ノ貳」
第22話「恋物語 ひたぎエンド 其ノ貳」
ガハラさんの依頼を引き受けるという貝木。
しかも料金は即金で払える10万円のみ。それも必要経費という事でそれ以上は要求する気は無いようです。
貝木の言葉が信じられないガハラさん。まぁ正しい反応でしょうw
前回1人ミーティングで探した神様騙しの理由にはそれほどの価値があるということなんでしょうね。
貝木に帰りの飛行機代を借り...
物語シリーズ セカンドシーズン 第22話「恋物語 ひたぎエンド 其ノ貳」
貝木と撫子の初顔合わせ。
物騒な神となった撫子相手にも動じず、自分のペースな貝木が冷静ですね(笑)
元が撫子といえ、神を騙すことが出来るのか?
ひたぎの依頼を受けることにした貝木は、暦たちの住む町を訪ね、
今回騙す相手である、今や北白蛇神社の神となった女子中学生・千石撫子のことを調べ始める。
物語シリーズ セカンドシーズン 第22話「恋物語 ひたぎエンド 其ノ貳」
化物語音楽全集 Songs&Soundtracks(2011/12/21)TVサントラ、supercell 他商品詳細を見る
「恋物語」が放映されています。原作では騙されてしまいました。箱絵からして、戦場ヶ原ひたぎの視点で物語が進行していくと期待していました。頁をめくれば、オッサンが主役でした。貝木泥舟いう悪役ポジションが語りまくって、面白いものがあります。中学生を騙すような嫌なヤツです...
物語シリーズセカンドシーズン #22 「恋物語 ひたぎエンド 其ノ貳」
ガハラさんのお願いというより別の利益で動き出した貝木泥舟、
「物語シリーズセカンドシーズン」の第22話。
神騙しの依頼を受けた貝木。
飛行機の中で情報を整理し、まずは神社・・・ではなく、
撫子の同級生の親と名乗って千石家を訪ねる。
言葉巧みにかつての撫子の部屋に入りアルバムを拝見。
人形のように笑う写真、撫子が居なくなって証拠探しよりも撫子の
希望をそのまま鵜呑みに...
“男版綾波レイ”タイプか!(ガンダムビルドファイターズとかPERSONA3 THE MOVIEとか)
【シリーズ セカンドシーズン 第22話】貝木さん、撫子さんの身辺調査に乗り出すの巻。前回ラストで戦場ヶ原さんからの依頼を引き受けることにした貝木さん。その引き受けた理由( ...
物語シリーズセカンドシーズン 第22話 ひたぎエンド其ノ貳
貝木の依頼を引き受けるという言葉に、依頼をしたひたぎ自身、正気かと疑います。
取り合えず即金で用意出来る10万円を寄越せと言い、それを確認してこれでいいと。
本気で仕事 ...
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No title
最悪の禁じ手って、普通の叙述トリックでしたけど…
撫子が信用できない語り部であることを一切匂わさせていないなら禁じ手でしたけど、最初から匂わされてましたし。
まあ、撫子が信用できない語り部であるがゆえに、他の者の視点で俯瞰しなければ、「囮」の事件はおろか、撫子の本当の人物像さえ確認できなかったというのは一理ありますけどね。
「囮」のラストで「答え合わせ」がされましたが、あれとて撫子が語り部である以上、彼女の妄想が一切含まれていない保証はないのですから。
撫子が信用できない語り部であることを一切匂わさせていないなら禁じ手でしたけど、最初から匂わされてましたし。
まあ、撫子が信用できない語り部であるがゆえに、他の者の視点で俯瞰しなければ、「囮」の事件はおろか、撫子の本当の人物像さえ確認できなかったというのは一理ありますけどね。
「囮」のラストで「答え合わせ」がされましたが、あれとて撫子が語り部である以上、彼女の妄想が一切含まれていない保証はないのですから。
No title
小説の作法で言うなら、語り部が冒頭で自分は嘘つきと主張する方が禁じ手でマナー違反なんですけどね。
でも、囮物語への不満はわかります。 話自体は面白かったけど、最後まで語り部を撫子だけにしたのは失敗だったと思います。
撫子はあまりに信用できない語り部だったので、ラスト辺りで、一度暦かクチナワか忍に語り部を交代するべきでしたよね。 猫物語(白)で羽川から一時的にブラック羽川や苛虎に語り部が交代したみたいに。
そういえば鬼物語で怪異は語り部にならないというメタ台詞がありましたが、原作者はブラック羽川や苛虎の事を完全に失念してますね。
ブラック羽川は羽川と融合してるから、ある意味で完全な怪異と言えない部分がありますが、苛虎は完全に羽川から独立した怪異でしたしね。
でも、囮物語への不満はわかります。 話自体は面白かったけど、最後まで語り部を撫子だけにしたのは失敗だったと思います。
撫子はあまりに信用できない語り部だったので、ラスト辺りで、一度暦かクチナワか忍に語り部を交代するべきでしたよね。 猫物語(白)で羽川から一時的にブラック羽川や苛虎に語り部が交代したみたいに。
そういえば鬼物語で怪異は語り部にならないというメタ台詞がありましたが、原作者はブラック羽川や苛虎の事を完全に失念してますね。
ブラック羽川は羽川と融合してるから、ある意味で完全な怪異と言えない部分がありますが、苛虎は完全に羽川から独立した怪異でしたしね。