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劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語

それは一つの愛の物語。

実に良いものを見た。最速で見てきました。とりあえず見に行った甲斐はあった。以下、ネタバレしかしないぐらいのノリで行きます。


この新作を見せるために用意された、という名目である前後編の公開からぴたり一年が流れている。誰も彼もがソフトを買うわけでもあるまいに、アレは本当に意味があったんでしょうかね。そして、私は一年前、もう何をやっても蛇足になる、みたいなことを書いた気がする。そんな色々否定的材料の多い作品ではありましたが、蓋を開けてみればビックリ。蛇足どころか見事な補足ぶりを見せているではありませんか。もはや、蛇から竜へ、まるで別物に変わってる感じ。だからそういう路線で文句を言うならいざ知らず、蛇足という印象は無いですね。

あと、映像美が兎に角素晴らしい。新房昭之総監督率いるシャフトの能力、ここに極まれり。途中から何やってるんだか意味はさっぱり分からないけど、時に美麗な、時に奇抜なその映像は強烈に印象に残る。『2001年宇宙の旅』をはじめて見たときに近いな、これは。


ストーリー面について。言いたいことは色々あるけれど、まずは全体の中盤ぐらいまでを占めるミステリー仕立ての話について触れてみよう。魔女でもなく、魔獣でもなく、ナイトメアと呼ばれるものを相手に今はもういない者を含む魔法少女たちが戦隊ものめいて力を合わせて戦う。これは一体如何なることか。この謎解き、実に面白かった。この世界そのものがほむらの妄想、言葉にすればそればそうなるがこれは妄想オチではない。語り部であるほむらの認識は健全そのもので、ありもしないものを見たり聞いたりすることも無ければ、都合の悪い事実を見なかったこと、聞かなかったことにしたことも無く、勘違いはあっても正しい作中現実とあまりにもかけ離れた認識をしたことも無かった。彼女の行動は十分信用できるものであり、辿りついた真相も必然的なものだ。

そして真相が明かされ、その背景にあった事情、というかインキュベーターの陰謀も明かされてからがこの件の一番面白いところだ。つまるところほむらは、語り部であり、探偵役であり、犯人であり、被害者だったのだ。言葉だけ聞いても状況の想像し難い一人四役。これには痺れたね。


ミステリー要素が大体説明され、ほむらの転じた魔女と、実はここまでの展開が大体想定通りだった魔法少女たちとの戦い、があってからの意外な展開。私も大概の視聴者同様、あの戦いで終わるとばかり思っていて見事やられたクチです。最初のナイトメア相手の五人の戦いがやけにかったるくて尺を取られた印象があるのもあって、絶対あのへんで時間だと思ってた。まさかアレからが結構長いとは。

この展開ですが、私としては結構ありだと思います。そもそも円環の理とは何なのか、その一部が失われたことでどういう影響が出ているというのか、ほむらが新たに作り出した概念とはどういったものなのか。考えるべき問題点の全てが曖昧模糊としているせいで、一体どうして否定的に扱われてるのさえよく分からないんですよ。だが、ほむらが本当に求めていたものは明白だ。記憶が変わっていようとも間違いなく本物のまどかが円環の理になることを否定すようなことを言ったからこそ、何をしてでもそれを守ろうとした。そしてそれは間違いなく叶った。まどかのためにまどかの望むことを叶えた。ならばそれはきっと良いことだ。そんな風にしか思えないんですよ。

まぁ、そう思うのはきっと私がヤンデレを好きだからなんでしょうけどね。勘違いしてる人が多いがヤンデレというのは極度に暴力的だったり、頭がおかしいとしか思えない人が愛を口にしているということではない。愛があるからこそ病んだような、壊れたような異常を見せる人のことを言うのだ。異常は凶器を振り回して攻撃してくるものだけを指すのではない。人道に悖っていたり、倫理道徳に反していたり、或いは死にそうなほど心が弱っていたりするのであっても良い。愛ゆえに世界に影響を与える、世界のあり方を壊す愛。いかにもって感じじゃないですか。


その他登場人物。さやか。神の使いとして事件の真相を大体教えられて送り込まれた、と、これ程元とイメージが変わってる奴も珍しい。そしてそれ以上に、人魚の魔女がスタンドみたいに背後に浮かび上がってくる芸風がつっこみどころ満載。

インキュベーター。ミステリー部分の真相でこそえらそうな態度をとっていたものの、よく考えると今回殆ど何もしていない。キューキュー鳴いてたばかり。杏子に、普通に喋れるんじゃないか、とつっこまれたときの空気が何とも言えない。パンフレットで虚淵玄は「しょせんは宇宙人レベルなので、なんだかんだいっても神様には敵いません」と言い、斎藤千和は「最高の中ボスですね。自分がボスだと思ってがんばっているのに、「まさか!」といいながら敗れ去っていく。素晴らしい引き立て役っぷり」と言う。関係者からも馬鹿にされ始めている。

公開前は散々煽られていた新たなる魔法少女、百江なぎさ。しかし本編ではイマイチ影が薄い。いや、魔女のときも含めれば圧倒的な存在感がある、気もするけど。ただ、謎の新人登場、みたいな感じで煽ったわりにはストーリー上の影響力存外少なかったなぁ、と。


全体的に、これぞ虚淵玄の手法ってのをたっぷり楽しませてくれて、大満足の仕上がりでした。ラストシーンだけ解釈が割れそうだが、これはインパクト狙いで適当な絵をつけてる気がする。TV版の最後もそうだったし。ただ、最後のインキュベーターの死体に高速でいろいろな終わりを意味する言葉を添えるのにはくすっと来た。


上映前に『物語』シリーズとコラボしたマナームービーがあった。しかしこれ、予想は出来たことだがまるでマナームービーとして成り立っていない。会話のインパクトがありすぎる。ただ最後の締め括りで忍野扇が自分のことを「あらゆる物語の聴き手」と言っていたのは特別印象的だった。少し腑に落ちたことがある。『終(上)』でようやく彼女のことについて触れられるのかと思ったら、忍野扇は忍野扇である、などと全く無意味な一言で終わり、それを正当化するための屁理屈を捏ね始める始末だった。彼女は他の主要人物のように怪異がらみで主人公に助けられたり、戦ったわけでもなく、自身で物語を語るわけでもなかった。それが「聴き手」であるが故、というのは説得力があるような無いような。

まぁ、いずれにしたってあの、人間の認識を操ってるとしか思えない異様な現象の数々は全く説明されてないわけで。その辺は本気で説明が欲しいな。
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>考えるべき問題点の全てが曖昧模糊としているせいで、一体どうして否定的に扱われてるのさえよく分からないんですよ。

同感です。 さやかが怒ってましたが、生き返れた上に上条や仁美とも再会できて「むしろ感謝すべきなんじゃ?」と違和感を感じたくらいです。
世界を個人の意思で勝手に作り変えることは罪かもしれませんが、それを言ったら前作のまどかの願いだってベクトルが違うだけで同じものですしね。
なによりも、ほむらは元から時間逆行という世界の摂理に逆らう行いを繰り返してますしね。 
いや、そもそも魔法少女の存在自体が、(彼女たちが魔法少女になるために叶えた願いも含めて)世界の摂理に反した『奇跡』なわけですし。 
正直、さやかのほむらを責める言葉に説得力を感じませんでした。 結界の中でのさやか自身の言葉を借りるなら「それって、そんなに悪いこと?」という感じです。

でも、今回のさやかは、失恋や魔法少女の宿命に押しつぶされたテレビ版と違い、それらを乗り越えて強く成長したなと思いました。

>人間の認識を操ってるとしか思えない異様な現象の数々は全く説明されてないわけで。その辺は本気で説明が欲しいな。

『終(下)』では、多分暦以外の人物が語り部になると思います。 忍野扇の事を全く疑わず簡単に認識を操られている暦では、絶対に扇の正体にたどり着けないでしょうからね。
有り得そうなのは羽川ですかね。 彼女は暦とは逆に扇を疑いまくってますから。



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