刀語 第9話「王刀・鋸」
彼女は刃にキスをする。
全編唯一にして最高のギャグ回。ただし全てが終わった後で見直すと大分イメージが変わる。
今回は原作からの変更点がかなり多い。いや。ほとんど別物になっていると言って良いだろう。真庭忍軍対右衛門左衛門の忍者対決以外は真面目なところがほぼ無く、絵に描いたようなラブコメのノリが強調されている。まぁ、原作を大胆に再解釈している、とか言えないこともないのでそれ自体はそこまで問題ない。ギャグの強調、時にはいいじゃないですか。ただ、どうしても気になるあまり意味の無い変更はある。それは指摘したい。
先ず、七花たちが出羽天童に来たのかということが分からなくなっているがこれは原作の再解釈という範囲のことで流そう。ただ、天童将棋村が将棋の聖地だという説明がきれいに飛ばされたせいで、何でこの話こんなに将棋にこだわってるのとか、将棋を出されたら反対できなくなるとか馬鹿じゃないのとか、つっこみが入りそうな感じになってるのは否めない。
汽口慚愧との決着も、七花は刀を持つとむしろ弱くなる、というのの描写がやりすぎとしか思えない。原作では決着は
それから直前の、とがめとのキスシーンもやはりいささか演出が過剰に思われる。七花の人間性でキスをされたからといってビックリして呂律が回らなくなるというのも不自然だし、そもそも描写が不自然に長ったらしい。「何をされたのか」「咄嗟にはわからない」うちに「元の位置へと戻」るというシーンなんだから、キスそのものを長ったらしく描くのは的外れなんだが。
以前書いたとおり、真庭忍軍が自分たちで変体刀を手に入れた件は本来第7話でのことである。その正体が今回で毒刀・鍍であると明かされる、という流れである。アニメでは今回初めて毒刀を見つけた様な言い回しになっており、第7話と展開を合わせたようだ。まぁ、それはいいのだが、鳳凰の忍法・命結びは結局説明されていないので、川獺の能力で探ったというのが少々意味不明になっている。本当に仕事が中途半端だな、この作品は。
続く真庭鴛鴦対右衛門左衛門の忍者対決は、中々魅力的な出来。この勝負は単純に面白く、特に最後の右衛門左衛門が意外な健闘を称える中死に行く鴛鴦は蝶々のことを考えていた、というところは数少ない本作が原作を超えた演出をしているところだと言って良い。尤も、相変わらず炎刀・銃がいかに不可解であるかを演出してないのは不満だが。
変体刀紹介コーナー
王刀・鋸
木刀の形をした、毒の無い変体刀。刀の毒を持たず、逆に所有者から毒気を抜いて真人間にしてしまう。冷静に考えなくても、それ自体が一種の毒といえなくも無い。精神攻撃の面が強い変体刀。毒刀・鍍とは対極に位置する。今までに比べればだいぶましとはいえ木刀である時点で刀でもなんでもない。そして武器としては木刀以上のものではなく、効果も使い手が真人間になるだけなので、変体刀の中でもかなりしょぼい部類。
登場人物紹介コーナー
・汽口慚愧
心王一鞘流十二代目当主。王刀・鋸の所有者。何事につけとても真っ直ぐな性格をしているが、それは王刀の効果によるもので、元々はわりと普通の人。
この辺りになると、七実や描かれなかったとはいえ錆白兵という最強クラスの猛者を倒してしまっているせいで、いかに直接的な強さを上げずに主人公たちを苦戦させるか、に躍起になっていた節がある。日和号といいこの人といい、そして次回といい実に変な勝負が続く。
・真庭鴛鴦
真庭忍軍十二頭領の一人。通称、巻戻しの鴛鴦。永劫鞭という特異な鞭を自在に操る、やや地味だが結構強力な効果の忍法を使う。その場を動かず、腕を動かすだけで、自分の全周囲へ自在に対応でき、そしてその性能は攻撃よりも一定以上まで近付けないという防御に向いている。単純に使う技術だけなら、右衛門左衛門とはとても相性が良かった。
しかし右衛門左衛門が炎刀・銃を持たされていたため、全く理解出来ない最期を遂げることになった。それでも、彼女の死は決して無駄ではなかった。
全編唯一にして最高のギャグ回。ただし全てが終わった後で見直すと大分イメージが変わる。
今回は原作からの変更点がかなり多い。いや。ほとんど別物になっていると言って良いだろう。真庭忍軍対右衛門左衛門の忍者対決以外は真面目なところがほぼ無く、絵に描いたようなラブコメのノリが強調されている。まぁ、原作を大胆に再解釈している、とか言えないこともないのでそれ自体はそこまで問題ない。ギャグの強調、時にはいいじゃないですか。ただ、どうしても気になるあまり意味の無い変更はある。それは指摘したい。
先ず、七花たちが出羽天童に来たのかということが分からなくなっているがこれは原作の再解釈という範囲のことで流そう。ただ、天童将棋村が将棋の聖地だという説明がきれいに飛ばされたせいで、何でこの話こんなに将棋にこだわってるのとか、将棋を出されたら反対できなくなるとか馬鹿じゃないのとか、つっこみが入りそうな感じになってるのは否めない。
汽口慚愧との決着も、七花は刀を持つとむしろ弱くなる、というのの描写がやりすぎとしか思えない。原作では決着は
となっており、なんだかんだ言って最後ぐらいは上手く纏めたように書かれている。ところがアニメだと思いっきりつんのめっていて、全く残心の姿勢を取れてないように見える。これぐらいはちゃんと描いて欲しい。正直、あまりにも無意味な変更だ。突っ立っているだけの相手に木刀を振り下ろすことさえ、実のところ、七花にとっては難しいことだったのだけれど。
けれどの残心の姿勢だけは、ちゃんと取ったのだった。
それから直前の、とがめとのキスシーンもやはりいささか演出が過剰に思われる。七花の人間性でキスをされたからといってビックリして呂律が回らなくなるというのも不自然だし、そもそも描写が不自然に長ったらしい。「何をされたのか」「咄嗟にはわからない」うちに「元の位置へと戻」るというシーンなんだから、キスそのものを長ったらしく描くのは的外れなんだが。
以前書いたとおり、真庭忍軍が自分たちで変体刀を手に入れた件は本来第7話でのことである。その正体が今回で毒刀・鍍であると明かされる、という流れである。アニメでは今回初めて毒刀を見つけた様な言い回しになっており、第7話と展開を合わせたようだ。まぁ、それはいいのだが、鳳凰の忍法・命結びは結局説明されていないので、川獺の能力で探ったというのが少々意味不明になっている。本当に仕事が中途半端だな、この作品は。
続く真庭鴛鴦対右衛門左衛門の忍者対決は、中々魅力的な出来。この勝負は単純に面白く、特に最後の右衛門左衛門が意外な健闘を称える中死に行く鴛鴦は蝶々のことを考えていた、というところは数少ない本作が原作を超えた演出をしているところだと言って良い。尤も、相変わらず炎刀・銃がいかに不可解であるかを演出してないのは不満だが。
変体刀紹介コーナー
王刀・鋸
木刀の形をした、毒の無い変体刀。刀の毒を持たず、逆に所有者から毒気を抜いて真人間にしてしまう。冷静に考えなくても、それ自体が一種の毒といえなくも無い。精神攻撃の面が強い変体刀。毒刀・鍍とは対極に位置する。今までに比べればだいぶましとはいえ木刀である時点で刀でもなんでもない。そして武器としては木刀以上のものではなく、効果も使い手が真人間になるだけなので、変体刀の中でもかなりしょぼい部類。
登場人物紹介コーナー
・汽口慚愧
心王一鞘流十二代目当主。王刀・鋸の所有者。何事につけとても真っ直ぐな性格をしているが、それは王刀の効果によるもので、元々はわりと普通の人。
この辺りになると、七実や描かれなかったとはいえ錆白兵という最強クラスの猛者を倒してしまっているせいで、いかに直接的な強さを上げずに主人公たちを苦戦させるか、に躍起になっていた節がある。日和号といいこの人といい、そして次回といい実に変な勝負が続く。
・真庭鴛鴦
真庭忍軍十二頭領の一人。通称、巻戻しの鴛鴦。永劫鞭という特異な鞭を自在に操る、やや地味だが結構強力な効果の忍法を使う。その場を動かず、腕を動かすだけで、自分の全周囲へ自在に対応でき、そしてその性能は攻撃よりも一定以上まで近付けないという防御に向いている。単純に使う技術だけなら、右衛門左衛門とはとても相性が良かった。
しかし右衛門左衛門が炎刀・銃を持たされていたため、全く理解出来ない最期を遂げることになった。それでも、彼女の死は決して無駄ではなかった。
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