スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

刀語 第3話「千刀・鎩」

過去と伝統。

虚対千、勝敗を分けたものは。

少々長くなりますし、テキパキ行きましょうか。先ず、いきなり大幅なカットがある。原作では冒頭に「思わせぶりな」過去のシーンがある。確信にかかわるネタの一つなのだが何故無くなっているのだろう。第1話の冒頭では一つの物語としての連続性を高めようとしていたのかもっと後で説明されるシーンを入れているのに、この原作からあったシーンは消されている。こういうところがこのアニメ版のよく分からないところだ。

この回想と直接の関係はあまり無いが、原作第3話はとがめの心理描写が何度か結構ページを割いて書かれる。とがめの刀集めの旅には全く正義がないことや、全くごく普通に当然のように人を殺せる七花の異常さなど結構おいしそうなネタもある。それらがアニメ版だと悉く削られている。

とがめに限らずこのエピソードは心理描写とか心理的駆け引きとかそういったものが重要なのだが、いずれも丸ごと削られている。そのため原作を読んでいる人間とアニメだけ見ている人間とでは受ける印象がまるで違うと思われる。狙ってやったのかどうかは不明だが、原作の持ち味を考えたらあまり上手い変更とは思えない。


それから、そろそろ地の文をリストラしたせいでかなり苦しくなっているところが現れている。真庭喰鮫が名乗ったときに「お前は先月登場しておけ。」というつっこみを入れたり。いや、それは与太だが、敦賀迷彩の過去が本人の口からベラベラ語られるのは常識で考えて相当不自然なシーンだろう。あれは本来地の文の見せ場なのである。


変体刀紹介コーナー
千刀・鎩

全く同じ刀が千本ある。とがめ曰く「折れたところで曲がったところで、九百九十九本の予備が存在する、至高にして絶対の消耗品」「変体刀千本の中で、唯一の普通の刀」とのこと。確かに千本全て刀の毒を持っている以外は、特別な性質を一切持たずその気になれば曲げたり追ったり出来るのだから、普通の刀と言えなくもない。しかし、全く同じものが千本あるというのはそれだけで十分異常である。折れない刀や何でも切れる剣なら他の創作でも幾らでもお目にかかるが、ストックが九百九十九本ある刀なんてものは他ではまず見られない。その意味では読者、視聴者が最初に目にする、変体刀らしい奇抜な刀といえる。


登場人物紹介コーナー
・敦賀迷彩

三途神社の長で、千刀・鎩の所有者。元々は千刀流という技術を教える道場の跡とり娘だったが大乱で家を失い、山賊になり、そこから色々あって現在の状況になった。大物ぶった態度で振舞うがその実「勝てばよかろうなのだ」「過程や方法などどうでもいいのだ」といった考えをする類の人であり、千刀流を含めてあらゆるものを勝利のための手段としてしか見ていない。大乱で大して活かすことも出来ず家及び道場が滅びたのが原因とはいえ、自らが習い覚えた千刀流に対する矜持など全く持ち合わせていない。

アニメでは完全に削られた描写だが、七花たちにはそれほど量は多くないが一日二度の食事が出された、というのがある。これは不十分な食事で体力を削ぐのが目的である。態々七花に分かるように喰鮫を殺したのも、本人が言ったようなフェアプレー精神ゆえではなく、あえて技の性質を見せることで虚刀流は相性が良いと思い込ませ油断を誘うためである。降参を認めてそれを促すのも、直接戦わなければそれが一番楽だから。そういった感じで勝利のためなら何でもやる。

しかしながら、降参を誘うための言葉で流派そのものに優劣をつけるようなことを言ったことが七花の虚刀流に対する矜持に火をつけ、状況を変えられて敗れた。二十年も前に自分の技術に対する矜持を失った者と二十年間の暮らしにおいて技術を教えられ訓練することが殆ど全てで故にそれに絶大な矜持を持っていた者、その差が勝負の分かれ目となった。そういう実に分かり易い話なんですよ、これは。

さておき。その策士ぶりは七花たちからも高く評価されている。戦った所有者たちを格付けする際、別格に強い奴を除いて、七花は真庭蝙蝠に告ぐ二番目、とがめなら一番にする、ぐらい。反面、これは完全に私個人の意見なのだが、本人の武力そのものは大して高くないのではないかと思われる。まともな戦いといえるのは最後の衝突だけで、ここでは特に策もなかった筈の七花が一発で勝利を収めているし、後に千刀・鎩の別の使い手が現れたときも七花本人が、苦手にしていたのは迷彩の性格の方だとハッキリ言っている。一切策を弄せず一対一で戦うのならむしろ弱いんじゃあるまいか。


・真庭喰鮫

真庭忍軍十二頭領の一人。通称、鎖縛の喰鮫。通称が無理矢理すぎて、完全に例のネタが言いたかっただけという気がする。十二頭領の中ではかなり個性が薄い部類。固有の術は武器を一生懸命振り回してるだけだし、喋り方にも特徴がないとは言わんがあまり面白くないし。瞬殺されることで敦賀迷彩のすごさを引き立たせる、というのが作劇上の役目と思しいが冷静になると、先に述べたように迷彩自体に結構怪しいところがあるので、むしろ正面から挑んで負けた彼の弱さの証明になってる気がする。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

11番の日記

Author:11番の日記
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
FC2カウンター
フリーエリア
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。