大海原の小さな光

ジョー岡田をプリキュア関係者と踏んで王女の情報を探すべく彼の店を訪ねたら、変な卵があって、更にそこから何故か変な赤ん坊が生まれました。この流れそのものにはさほど無理はない。むしろ、ジョー岡田をプリキュア関係と怪しんで、という前ふりは現実に考えれば当然ながら、凡百の作品では到底見られないものであり実に良かった。

ただ、卵から赤ん坊が生まれたことやその振る舞い或いはそれに対してやたらテンションの高いマナなどへの大量のつっこみどころが悉く、六花一人に回されており、しかも彼女につっこみどころが多すぎるなどという台詞まで言わせることで全体として、逆として流そうとしてるのがなんだかなぁ。


赤ん坊、アイちゃんと命名、の扱いも結構怪しい。出会った日の真琴が帰った後は、おそらくジョー岡田が引き取ったのだろうが、その後四人でアイちゃんを連れて町を歩いてる図はいかがなものか。中学生が赤ん坊を連れ歩いてたら怪しいだろ。そういう一般常識からの観点が抜けているとはこの作品らしくもない。

それからマナは歌が下手だった、ただし自覚は無いということについて。完璧な人の意外な弱点、といったところか。それは別に良いですけど、それが問題だと思ってるんなら更生を促せよ、六花もありすも。二人ともあれが問題だというばかりで具体的には何もせず、真琴が歌のレッスンが必要だと言っても笑って聞き流すマナを傍で見てるだけ。真琴の料理が下手だったときは、普通の料理下手ネタとは全く違う極めて現実的な対処を見せて、個人的にはすごく高く評価したのに。ここは致命的にこの作品らしくない。


なんか不満が多かったけれど、いよいよ変な赤ん坊登場。放送直前まで殆ど説明されておらず、OP映像で唐突にその姿を見せ始めた、にもかかわらず本編では二ヶ月近くも影も形もなかった、あいつがついに登場したわけだ。この正体不明さ、本当にドキドキする。いや、大方予想は付くけど、黙っているのが大人の対応というものだ。とにもかくにも、これでようやくOP映像に映ってる主な登場人物が出揃ったわけだ、たぶん。


今回のジコチュー。睡眠にかかわる欲望から生まれたので、羊が一匹、羊が二匹というネタ。いや、ちょっと待て、ジコチューは誕生の原因になった欲を満たそうとするものだろ。他人を眠らせるのかよ。お前が眠るんじゃないのかよ。まぁ、それでは全く戦闘にならない気もするけど。