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フェイト/アポクリファ 第1巻「外典:聖杯大戦」

聖杯大戦、それは七対七で争う全く新しい聖杯戦争の形。

そんな宣伝をするのに終始していたような一冊。面白そうな前ふりばかりといった感じ。

ところでこの作品、タイトルロゴは他の『Fate』シリーズの作品同様アルファベットで書いてカタカナでルビを振ってあるし、雑誌などでその名を宣伝されるときにはアルファベットで書かれるのだが、背表紙や目次、奥付ではカタカナしか書いていない。何が正式名称なのかよく分からないが、アルファベットで書くのが面倒なのでカタカナで通す。

作品としては全体的に『Fate/Zero』のノリに近いですね。参加者がどいつもこいつも殺し合い上等な精神の持ち主で、こんな戦いは不毛だから止めよう、なんて水を指す奴がいないところとか。参加者各人にかわるがわるスポットを当てて描かれ、参加したマスターやサーヴァントの事情が結構詳細に伝わってくるところとかが。まぁ、詳細に描かれない人も結構いるけど。特に赤のマスター、殆ど手抜きじゃないか。いや、今回は手が回らなかっただけだ、そう信じよう。

尤も『Zero』とも『stay/night』とも違って、登場人物が多すぎるせいなのか、誰が主人公なのかよく分からない。表紙や最初の方のイラストを見る限りはルーラーのように見えるけど、今回だけ見ると赤のセイバー組や黒のセイバー、黒のライダーなんかの描写がすごく濃い。


さて、今回はいかにも強そうなやつがアッサリ脱落する意外性はあったものの、戦争そのものはまだ前哨戦といったところ。主な登場人物やその能力で気になったことでも挙げていこうか。

先ず、冗談抜きで一番面白かったのは黒のライダー。見た目は受け狙いとしか思えんが、その言動はまさに英雄の鑑だ。全く見知らぬ者から助けを乞われても二つ返事で応じる、というだけならただの馬鹿かもしれない。常人をはるかに超える身体能力や面白い超能力を秘めた道具を持っている、というだけならそんなの沢山いるから聖杯戦争が出来るのだ。しかし、それらを併せ持った上に、自分のあり方に対して信念のようなものを持っているのならこれは本物の大物と言わざるを得まい。

『Fate』シリーズのサーヴァントは聖杯戦争という性質上異能バトルが出来ることばかり目立つが、せっかく神話や歴史上の超人を呼んでるんだから弱者を助け、ぼんくらを導くようなシーンがあっても然るべきなのだが大抵そういうところはあまり無い。今回も今のところはそう。そんな中でいかにもな英雄らしい振る舞いをとり、人にも求める黒のライダー/アストルフォは実に良い味を出している。

気になる人といえばシロウ・コトミネ神父。彼と今までの歴史における衛宮士郎、言峰家との関係は不明であるが、もし、見たとおりの安易な結論で良いとするならば、この人たちは第四次聖杯戦争の影響をほぼ完全に避けていることになる。第四次聖杯戦争が無いのにロード・エルメロイ・Ⅱ世がいる≒ケイネス・エルメロイの破滅が避けられないことを考えると色々理不尽だ。

それから赤のセイバー組。見た目も行動も全く魔術師に見えない獅子劫界離と円卓の叛逆の騎士モードレッドとのコンビ。切嗣みたいな人と円卓の騎士という、突飛なようである意味無難なネタに走った感じだ。切嗣とは違ってお互い趣味が合ってる様なので成果が期待できる、と思いたい。しかし、モードレッドの宝具「不貞隠しの兜(シークレット・オブ・ペディグリー)」、効果は自分の情報を隠すことができるって、円卓はこんなのばっかりか。

他には黒のバーサーカーのマスターが、望みはまだ決めてない、一応根源に至ることだが状況次第で他のことに変わる、などととても正直なことを言ってたのが好感が持てる。『Fate』シリーズに限らずバトルロワイヤル物でこういう現実的なことを正直に言う人って何故かあんまりいないよね。


気になったことといえば、アーチャーが赤、黒の二人とも真面目に弓矢を使ってるのが衝撃的。アーチャーのクラスが真面目に弓矢を使うなんてこと、二人いて一人が該当してれば良いぐらいなのに。

さらにスキル「神性」が、神から祝福された赤のライダーは神性がないとたとえサーヴァントであろうと一切の攻撃が通じない、という形で役に立った。今まで鎖に繋がるだけのマイナス効果だと揶揄を受け続けてきたスキルについに日の目が。これまた複数のアーチャーが全員弓矢を使うぐらいの衝撃だ。


とにもかくにも面白そうな出だし。続きが楽しみ。
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