大海原の小さな光

登場人物の心理としては前回から直接続いてるようなものだが。最初のほうこそ富樫の語りで始まったものの、全体としてはずっと、富樫への恋を自覚してないというか理解できてない六花視点の恋愛もの。大変私好みの話になってきたといったところだ。やはり中二病がどうこう言わず、この路線で言ったほうが面白そうだ。

傍から見れば明らかな恋に当事者だけが気付かないとか、恋を知らないので自分の身に起きた変調が何なのか分からないとかいうのは基本的なパターンですが、その辺を中々上手く描けてますね。六花の周りには奇人変人が多いし、そもそも本人が普段から変なので即座に察せられなくても無理は無い。そして六花自身はいかにも知識が偏ってそうだし恋愛が分かってなくてもさほど不思議ではない。富樫が、海に行ったときの話の影響と考えるのもそれはそれで当然だし。そんな感じで人物の配置が絶妙に考えられている。

結果、丹生谷がひょっとしたら始まって以来初ではないかといった勢いの活躍。活躍と言っても六派の感情を恋と見抜き、妙なマニュアルでけしかけたぐらいだがいつまでも進展が無くても困る話題ですし。というかなんであんなマニュアル持ってたんだ。あ、そうか、ああいうのを持ってるからやたらと外面がいいのか。だが結局最後は本人しだいであって、六花がマニュアルの行動にことごとく失敗していくのは必然であろう。


「影武者が生き残ってどうする。」
なんか知らんが笑った。今回に限らず今までのこの作品の中で一番笑ったかもしれない。何がそんなに面白かったのか全く分からんが。とりあえず、凸守は馬鹿だなぁ。どれだけ成績が優秀だろうと、どれだけ付き合いごとに上手くキャラを切り替えられようと、根本の部分で馬鹿だ。