大海原の小さな光

何故か映画村に来ていて、何故かポップがいまだに居座っていて、何故か映画に出ることになって、ととにかくノリだけのような話。真面目に考える気がどんどん無くなっていく。いや実際、無茶苦茶なオチといい、昔のアニメみたいな終わり方といい、真面目に考えたら負けのギャグなんだろうけど。


今回一見すると真面目なプリキュアらしいのは、人間と妖怪とが手をとってアカオーニに挑むべき、という演説のくだり。この『スマイルプリキュア!』という番組そのものでも使えそうなものだ。しかし、どうもこの作品ではこれを使うべき状況、たとえばバッドエンド王国とプリキュアとが手を組んで立ち向かうべき更なる巨悪や黒幕の出現、は想像し難い。なんだか、言ってみただけというかセルフパロディみたいな感じだ。


なお、あかねの体力自慢が体力が求められる立ち回り、お嬢様のれいかがお姫様、やよいが店の看板娘。やよいが少し怪しいがそれぞれの個性を活かした役を与えられてる中、みゆきが町娘というのが色々考えさせてくれる。そういえばみゆきってこれという長所が何も無いよね。プリキュアの中心で、番組の顔とも言えるけれど、そういう事情を抜きにすれば、その他大勢の内の一人に過ぎない。

みゆきの最大の特徴は実はこの秀でるところの無いところ、ではないかとも思えてくる。他の連中も絵が上手いけれど入賞するほどではない、みたいな半端な才能を見せることがあるがみゆきのそれは極まっている。何事につけ無能というわけではないが、才能もまるで感じられない。そんな彼女が、プリキュアとなって戦い人々を守っている。つまり大事なのは分かりやすい才能の有無ではない、みたいな。

なんて考えるとこの『スマイル』序盤で公開された劇場版『オールスターズNS』（劇中の映画が「妖怪オールスターズDX」というのがわざとらしい）に「女の子はみんなプリキュア」なんてフレーズがあるのも合点が行くというもの。『スマイル』時代の作品だからこそ、あれも凡人が新たなプリキュアになる話だったのだろう。うん、苦しいこじ付けだ。


今回のアカンベェは映画のカメラから誕生。カメラらしく巻き戻しや停止で物の運動を操る。普通ならすごく強そうな能力だが、ゾウデコルのゾウに水をかけられ壊れた上、ボタンを押し間違えて早送りを押して対処不能になり敗れた。雨の日にも使うだろうに防水加工はしてないのか、とかつっこみどころはあるが深く気にしない。そして意外なものに倒される強者、というバトルものの楽しみを満喫したい。


次回。そういえば学校ネタといえばまだこれがあったな。