大海原の小さな光

前回ゲートだった女刑事の大門が主人公たちの住処を見つけ、そこで出たわざとらしいせりふが原因で魔法使いになった理由などが語られた。初回はあくまで主人ヒーローのかっこいい活躍に当てて、二回目に物語の始まりを描くというこの構成は『ストロンガー』だな。

しかし、この説明は全く説明になっていない。主人公たちはいったいどんな人生を送っていた何者なのか、魔法使いの力は「白い魔法使い」から与えられたらしいが、ならば彼は何者で何故力を持っていたのか。この辺の知りたい情報はまるで分からない。問題点が解決に向けて一歩前進どころか、一歩後退しただけだ。


あと、コヨミが記憶喪失になったという話。今、『宇宙の騎士テッカマンブレード』にちょっとはまってるせいで記憶喪失は嘘設定なんじゃないかと思ってしまう。当時のことを語ってるし。いや、普通に考えれば入れ知恵なんでしょうけどね。


などということをやっているころ、主人公は魔法使いに憧れる変な人と出会って、師匠呼ばわりされて追いかけられていた。ついでに彼がゲートだった。ゲートだっていうのはすぐ分かった。怪人の攻撃が始まって即怪しいと思い、子供がゲートか、て言った時点で確定した。この人、普通に鬱陶しい性格ですね。製作者もわかってやってるんだろうけど、だからと言って受け入れるのは無理だ。ギャグ扱いだし。鬱陶しい系のギャグは苦手なんだ。

ところでこの人、魔法使いに憧れて、ウィザードの力を本物の魔法だと思って、事実ウィザードは魔法を使う魔法使いである、と。憧れた魔法使いというのは典型的な絵本や童話に出てくるタイプの、変な呪文や動作で易々とありえない奇跡を起こす存在、つまり現実で我々が魔法使いと聞いて思い浮かべるものそのものだ。そしてそれは、そんなものあるわけ無いだろ、とばかにされるような絵空事である。そんな状況でウィザードやひいては彼に力を与えた白い人は魔法を使う魔法使いと称しているわけか。作品内の整合性が気になる言葉の使い方だ。


今回のファントム、ヘルハウンド。特に目立った能力は無かったが、華麗にバイクを操りウィザードとバイクチェイスを繰り広げた。これは良いシーンだ、最近仮面「ライダー」の癖にバイクが飾りの人や全然使わない人が多いですからね、と言って欲しいんだろうなぁ。たとえそんなつもりが全く無くても、バイクを蔑ろにしていないという言い訳に見える。今後最低でも１クールぐらい毎回ウィザードがバイクを使ってれば認識を改めるが。

ところで、ワイズマンがサバトを開くために、という幹部の台詞。毎回毎回指示を下すときに入って、それは言わなければいけない決まりなのか、お前の持ちネタなのか、てレベルまで昇華されれば面白いと思います。まぁ、どうせすぐ言わなくなるんだろうけど。


ゲートの人が魔法を使えるようになったのか、という展開はそこそこ意外性があって気になる展開です。その件を最後に回して、無理やり次回を煽るあたりがいかにも平成ライダーらしい。