大海原の小さな光

壮絶（に）トリプルガンダム（を追い詰めるジラード・スプリガン）

今回のサブタイはきっと、正しくはこういう意味だと思うんだ。壮絶とトリプルガンダムとの間が余白になってるし。一繋ぎの文にしたいのなら「、」とか「!」とか打つだろ、普通。


与太はさておき、月面基地編決着。ふったネタは多いけれど適当な終わり方でしたね。アセムとゼハートとの宿命の対決及びアセムの説得は毎回同じことやって一歩も進まず終了、ゼハートが死ぬというフラムの悪い予感は全く無意味、フラム本人も危ないことが何度かあったがぴんぴんしており、結局全くぽっと出のジラード・スプリガン及びその周辺だけが死んだ。なんだ、これ。

キオの、出来るだけ殺さないように気をつけ、双方分かりあうことを求めるという目標も殆ど意味が無かったわけだが、これはこれでありかなと思う。自分からは極力手を出さないのは当然、敵から手を出されてもほぼ会話と防御としかしないのは本当に自分の道に準じてる感じがして良い。「話を聞けと言ってる」と言いながらビーム撃ったりしたらギャグだろ。でも、世の中にはそれを大真面目にやる作品があるんだよ、誰の何とは言わんが。

そして中々結果が出ないのも、道が険しいという感じがして悪くない。ヴェイガン、地球双方が分かり合うという目標が達成されるにしろ、結局あきらめざるをえないにしろ、結末に至る積み重ねとしてありだと思う。まぁ、その描写が、アセムとゼハートとの会話もそうだが、ワンパターンになってるのは擁護できないけど。


スプリガンさんはかつての実験で負った傷があり、それが理由でXラウンダー能力が暴走し、周りの連中のビット兵器及びCファンネルを奪いました。全くもって意味が分かりません。実験の傷とか、能力の暴走とかそれだけでは何の説明にもなっていないにもかかわらずそれで説明は終わったとばかりに話を進めてしまう。迷シーンとしか言いようがない。

最後は隙を突いてフリットが撃ち、サクッと終了。今わの際になぜかゼハートが戦士として認めたり良く分からない死に方。なんというか存在自体そのものが、キオの「わが道を行く」っぷりの引き立て役だった感が強い。


実質今回限りの使い捨てにも等しかった月基地トップの人。生き延びるためなら何でもするといって色々と足掻くさまはそれなりに面白かったです。この作品にしてはキャラが立ってた部類だと思います。彼はフラムが、おそらく独断で、殺した。曰く「お前のような汚らわしい者をゼハート様のふねに乗せるわけにはいかない」。フラムもようやく面白いキャラが立ってきたなぁ。


最後、ヴェイガン本拠地が自分から地球圏に来ることのご都合主義が半端じゃない。来たこと自体はイゼルカントが寿命近くて焦ってる、とかそういうことなんだろうけど、月基地戦がヴェイガンの敗北で終わった直後に来るというのがね。あとほんの少し早く着いてたら話の展開まるで違ったんじゃないか。まさに話の都合としか言いようがない。