大海原の小さな光

皮肉なことや矛盾に満ちた雪輝と由乃との激突、予想外過ぎる復活を遂げて雪輝を助けるみねね、そして戦いは三周目の世界へ。原作をリアルタイムで読んでいた頃はこの辺が一、二を争う残念な展開だと思ってた。今は一番残念な展開だと思っている。


雪輝を愛しているからこそ彼が生き残り神になる形でゲームが終わって欲しい、それが叶わないのなら彼を殺して次の世界で最初からやり直す、そう考えている由乃。由乃を愛しているからこそ彼女を殺して残りたくない雪輝。相思相愛でありながらまるで相容れない雪輝と由乃。ここは本当に面白い。

まったくもって皮肉としか言いようの無いことだが、由乃の今までの努力は見事に実を結び、彼女は確かに雪輝からの愛を手に入れた。だがそれ故に雪輝は、彼の性格ならば当然のことではあるが、却って由乃を殺したくないと思ってしまった。雪輝がそんな思考になったことが由乃の障害になる。笑い話にもならない。

雪輝と由乃とが結ばれない世界こそが狂ってる、という主張はある意味正しいと思う。ゲームがどう展開したところで雪輝と共に生きられる結末は無い。神になって世界を繰り返したところでそれは変わらないが、精々それぐらいしかやりようが無い。そしてそれが可能になったことで、世界は全てゲームやその駒のようなものだという妙な諦観を抱くに至った。彼女こそこのゲーム被害者なのである。

おそらくは雪輝もそのことを察したからこそ「僕にとって君は大切な一人の人なんだ」「君は僕が救う」等と言ったのではないか。同時にこれらの台詞や三周目の世界での展開が非常に面白い現象を引き起こしているのだが、それはまた今度。


まさかのみねね復活。今回、どころかこの作品最大級のガッカリ展開。確かに伏線はあったけど、死に際の感動が台無しすぎる。何より実質別人と言って良いぐらいにパワーアップしてるのが困る。話を盛り上げたは良いがこのままではとても雪輝と由乃、ムルムルたちとの勝負など成り立たないので無理矢理可能にする手段をでっち上げた感じなんだよ。


三周目の世界では、ジョン・バックスが未来日記というシステムを言い出しデウスが認めたときの様子が見られましたね。あんな軽い調子で決まったことだったなんて。やっぱりこいつらが最大の悪だ。


三周目における雪輝と由乃との戦い。由乃は雪輝の両親を用意すると言う策に出た。雪輝にとってやはりこれは効いている様で、みねねに目的のブレを指摘される。さて、どうするのか、というところで続く。等と思ったら豪く久しぶりのオマケ。何もかもぶちこわしだ