大海原の小さな光

グランエグザイル及びこれを護るサドリの第一艦隊と統合軍とは激戦が続き、そしてグランエグザイル内部ではついにファムがルスキニアと対峙する。ネタだけ見れば非常にラストバトルっぽい、ネタだけなら。


ルスキニアの目標は、やっぱりと言うべきか、自分が圧倒的武力を背景にした恫喝を行うような憎まれ役になることで世界中を統一することだった、ようだね。グランエグザイルが作られた歴史背景を知っていたようだし、だからこそサドリに先立って指示をだしていたのだろう(まぁ、指示はサドリが言ってるだけで本当にあったのかは知らんけど)から、本当にグランエグザイルで制圧できると考えていたとは思い難い。

ただなぁ、世の中がルスキニアへの抵抗で統一される過程があまりにも適当すぎて、腑に落ちない印象ばかりが強い。それなりに頭良さそうな人たちであっても、元々共謀していたらしいサドリ以外はあっけなくルスキニア憎しで統一されてしまい、それ以外殆ど何も考えなくなる。つくりがあまりにも雑である。こんなあまり考えない人たちが国家を動かす立場になったら大変ですよ。大丈夫か、この世界の今後。

なお、グランエグザイルが本来ただの乗り物で戦闘用の兵器ではなかったというのは中々面白いオチだと思う。動かすときの呪文に空族の決まり文句である「追い風を祈る」があるのはそういうことだったのか。あと、主砲が欠陥品であることの説明もついた。ただ、それは欠陥品であることの説明であって爆発の勢いで風穴が空くことの説明にはちっともなっていない。ご都合主義はやはりご都合主義。


私にとって最終回最も気にするところはファムが主人公らしいことをするかどうかであったが、これはダメだったな。結局最後まで主人公らしいところは殆ど無かったな、コイツ。

この最終回に於ける彼女の役目はサーラを助けるためにルスキニアと対峙し舌戦を繰り広げること、なのだがこれがつまるところまるで無意味だったように思えるのだ。最終的にルスキニアは(おそらくは予定通りに)サーラを返しグランエグザイルごと自滅する。ファムの言葉に胸を打たれた、みたいな様子も無い。何の意味があったんだよ、あのやり取り。

無理矢理フォローするとルスキニアは、君達が来てくれて良かった、なんて言ってるのでファムとは主張が全然違う奴が来ていたらサーラを返さないなど対応が違った可能性もなくはない。ただそれを言い出すとこの展開が本当に良いのかについて一考が必要だと言うことになり、もうどうでも良いや。ファムは主人公としてダメ、この話はここで終わり。


最後はファムがことあるごとに口にしていたグランレースが本当に催されましたとさ。ここに当然のように出場したファムが当然のように優勝を逃し、着順「だけ」ならディーオが優勝というは非常に「らしい」オチで素晴らしいです。

なお、もしここでまた偉い人が暗殺されたら面白いだろうなぁ、というのは私のように特別捻くれていなくても思うところではないだろうか。

最後に、二度目の総集編の最後に出てきた人(前作の主人公らしいね)が。あの時は台詞が無かったが今回は少しだけある。で、何のために出てきたんだよ、あんた。


私もグダグダだが、この辺で終わり。