大海原の小さな光

なにが「欲しがると言う感情自体は悪くない。問題なのはその気持ちをどうするか」だ。そもそも欲望の具現化した怪物であるヤミーを主人公であるオーズが華麗に倒してそれで事件解決、めでたしめでたしで終わる。という流れは「この番組の基本コンセプトは欲望の否定である」と言っているようにしか見えない。敵集団の総称・グリードを欲望という意味だといい、主人公を(とてもそうは見えんが)下着以外何事にも拘らない性格だと言っている辺りがそのことを裏付けている。

にもかかわらず、いかにも「これがこの作品の重要なテーマです」って感じで欲望自体は悪くない?問題なのは心のありよう?。割と本気でおっしゃっている言葉の意味が分かりません。オーズがヤミ－を倒すというこの番組の基本コンセプトとこの番組における重要な価値観らしきものが真っ向からかみ合っていません。

真実心のありようが重要だと言う価値観なのならオーズがヤミーを倒すという基本コンセプトにもそれを反映させるべきだ。そう、『ハートキャッチプリキュア！』の様に。

何故ハートキャッチのプリキュア達が毎回毎回デザトリアンに対して語りかけるのか。それは砂漠の使徒が人間をデザトリアンに変えて暴れさせるのは人間の心に対する負の干渉で、それに対してプリキュアが行うのが正の干渉だという発想があるのではないか。であるからこそデザトリアンは浄化するものなのであり、被害者はことの原因になった悩みに対して若干ポジティブになって終わる、というのが基本的な流れなのではないか。これこそまさしくアクションモノとしての流れと心のありようが大事と言う価値観を組み合わせている良い例である。

それに対してこの番組はそのような工夫が一切見られない。どころか一方的に欲望を否定しているようにしか見えない。でも、「欲望そのものは問題じゃない。問題なのは心のありよう。」ふざけるな