大海原の小さな光

全員集合を祝してキメ台詞を考えたり、突如キャンディの兄が姿を現したり、その兄が色々な設定を語ってくれたりする話。地味に、敵側も初めて全員集合した話である。


初っ端から衝撃の展開。キャンディが、プリキュアは一体何をすべきなのか、悪の組織はどういう連中なのか、キュアデコルを集める具体的な意味は、などといった様々な疑問点をまるで語らなかったのは別に深遠な理由があったのではなく、本当にただ無能で知らないだけだった。まったく驚くべきことだ。『スイート』のハミィも大概だと思ったが上には上があるようだ。

ハミィは確かに役に立たないことが間々あったが、それでも未熟な主人公たちに対して何をすべきなのかと、プリキュアとしての使命を語ることは出来た。キャンディは語るべきことを知らないとか確実にそれ以下。歴代でも指折りの役に立たないマスコットなのでは、コイツ。

数々の問題点、プリキュアの使命、キュアデコルを集める意味、敵組織との関係、第１話に出て以来の変な場所(図書館)などを次々説明し、戦闘でも見事なサポートをしてみせたキャンディの兄ポップ。初めからコイツがいれば良かったのに。むしろ便利過ぎるためか早々に帰ってしまい、説明のためだけに出てきた感じでもあるが。


ポップが説明に用いた伝説の戦士についての絵本は後のページが白紙になっている。バッドエンド王国がバッドエナジー回収の際に白紙を黒く塗りつぶすのと対になっているわけか。実に分かり易く、未来は決まっていない、どのように迎えるか、という話なわけですね。


今回の本題とも言えるキメ台詞。『プリキュア』シリーズでは変身時の名乗り、ポーズは強制的なものであることが多い。本作でも５人はいずれも初変身の際に勝手に変なことを口走ったことに驚いている。しかし本作は集団としての名乗りは無かったらしい。これは珍しい。散々プリキュアは５人とか、５人集めろとか、口をすっぱくして言ってた割には妙な仕様である。

で、最終的に出来たのが「光が導く未来」とか「スマイル」とかである。スマイルのあるようなより良き未来であれ、といった感じであろうか。実にらしい名乗りだと思う。


敵も今までの三人が一堂に会した上、ジョーカーという新手が出て初の全員集合。『プリキュア』シリーズは対等の幹部であっても出揃わないことが間々あるので、こういうシーンは今後あまり無いと思われる。それでウルフルン、アカオーニ、マジョリーナの三人がばば抜きやってるのが面白い。厄介ごとを押し付けあう、一致団結とは対極にあるゲーム。団結のためのキメ台詞を考えているプリキュアたちとの対比にしているととれよう。


次回は、秘密基地ですか。そういえば、プリキュアにはあまり無いな、秘密基地。