大海原の小さな光

ちょうど前半１クールが終わるこのタイミングで４th戦という大規模な戦いが終わったのはキリが良い。少し次回に続いてるとはいえ、話に一区切りついたところで総集編を挟んで第２部に入ったと思ったら直後に年末休みになった『ラストエグザイル　銀翼のファム』や、２クール目は三ヵ月後と言うけど１クール目が物語として全然終わってない『Fate/Zero』よりよほど良い。


さて、本編。４thは部下を総動員し、SATまで出動させ、息子を人質にされても全く動じず要求を突っぱねた。息子を助けるにはゲームに勝ち残って神になるしかない、そう信じて。

ここまでやって勝つ気が無かったというのは考えられない。最後に謝ったとか、事件の真相を記した資料が後に公表されたとかいった話に誤魔化されてはならない。彼は何をどう取り繕ったところで、特定の人間を殺すために権力を乱用したひどいヤツだ。Cパートからもそれは窺える。

そしてそんな４thは最終的に、雪輝たちを犯罪者にしたててそのために警察を動かしたことがバレ、ただの犯罪者として警察での地位を失い、結果として捜査日記も無意味になる状況に追い込まれる。この流れが実に見事だ。強さを支える根拠をほぼ完全に奪われたなんとも皮肉な最期で。

まぁ、よく考えてみれば４thは顔も名前も知らず、一切犯罪性の無い日記所有者は見つけられないので、そういう点からも勝ち残るのは難しかったんだが。

なんかさっきから罵ってばかりだが性格は好きだね、４th。神になって息子を助ける、ただそれだけが目的。そこをはっきり割り切っているので息子を人質にされても動じないし、日記所有者を躊躇わず攻撃する。こういう割り切った性格は好きだ。何かあるたびに愚図愚図するような人よりよほど良い。


「だって僕は、由乃を好きだから」
何かあるたびに愚図愚図する主人公、雪輝の色んな変化を示す台詞。由乃のことを最初はただのストーカーだと思い、彼女と言ったのも状況を逃れるための方便だった。そんな相手を改めて好きだと言った。それはきっと今までとは違う本心からの言葉なのだろう。少なくとも、ある程度は。そして二人の関係は新たな段階へ?


後日、雪輝たちは約束どおり星を見に行くことになった。だが出発直前にメールが。雪輝が場を離れた隙に秋瀬或からのものだと確かめた由乃はこれを削除。この一件については“ざまぁ見ろ、こんなところで水を差されてはかなわん”としか思えん。それぐらい私は秋瀬或が嫌いだ。