大海原の小さな光

第１話で起きた牧瀬紅莉栖殺害、その真相であるが、良いなぁこういうの。あの時点でこの真相だけ説明されてもまるっきり理解出来ないだろう。それを理解するためにはこの半年近くの長い物語が必要になる。最初にあったことでありながら最後にならないと理解できないのだ。こういうのは時間旅行、異世界旅行ものの醍醐味だと思うんだ。

事件の真相そのものよりも、ここまでの物語にちゃんと付き合っていないと明かされてもあまり意味が無い、という話が持つ性質の方に身震いするほど感動を覚える。まぁ、良く出来た長編ミステリーを読んだときのようなものだ。


紅莉栖の父親が中鉢博士だった件。確かにそれ自体も意外ではあるが、それ以上に紅莉栖の父親の話題がまだ有効だったことが意外。その辺はベータ世界線を目指してタイムリープを繰り返す展開になる中でフェードアウトしたんだとばかり思ってた。この辺には良い感じに意表をつかれた。

なんだか、鈴羽がジョン・タイターとか、鈴羽の父親がダルとか怪しい奴がなんのひねりもなく本当に怪しかった展開が二度も三度もあった作品と同じだとは思えない。


反面、鈴羽のことはイマイチ肩透かし。SERNの世界支配が無くなったので、ダルの人生も変わり鈴羽と別れることもなくなった、とかそういう風に考えるべきなのか。


未来の岡部のメッセージは解決の重大な示唆となって、いよいよ終わりが近いのだと思わせるが具体的に何をやればよいのかはよく分からない。少々投げやりだ。あと、「特に意味は無い」は笑うところですよね。


ここに来てOPの歌詞が２番になった。今更な気もするが、実際の内容にとても相応しいことも確か。そして挿入歌かと思われたものがそのままEDに。OP、ED共に完全に一種類だけで２クール突っ走る夢は潰えたか。別にいいんですけどね。見事な演出だったし。