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Fate/Zero 文庫版 第6巻「煉獄の炎」

かくして、

第四次聖杯戦争は終わった。苦労ばかり多くて得るものの少ない戦いだった。


ウェイバーと征服王がギルガメッシュに勝てないのは、まぁ分かっていたことだが、まさかここまでワンサイドゲームになるとは。あの卑怯すぎる宝具「王の軍勢」が「天地乖離す開闢の星」一発出しただけで終わっちゃた。しかし、だというのにこの爽やかさはなんだろう。征服王はとどめをさされたというのにいつも通りの調子で終わるし、ウェイバーなんか人として一回り成長したみたいな話になってるし。とても負けた人たちの様子ではありませんよね。

バーサーカーの正体は円卓の騎士の一人ランスロットだった。あぁなるほど、セイバーの前で華々しく公開したかったから今まで引っ張ってたのね。でも正体現してからは(過去話意外)一生懸命剣を振るってただけでなんか地味な感じが。正体を見せるところとか、魔力切れで動きを止めるところとか、セイバーにとどめをさされるところとか、はいかにも絵になりそうだが。

そしてバーサーカーといえば、雁夜は間違いなくこの作品で一番哀れな人物だろう。彼が哀れな理由は、桜を救えなかったからでもなければ、時臣に対抗できなかったからでも、葵に恨まれたからでも無い。まして死んだからでもない。死ぬのは話の流れから必然的だし、桜を救えないのは本編の設定から当たり前。他はそれほどの優先順位でもない。彼が真に哀れなのは、桜に対して何の影響も及ぼせなかったということ。せめて感謝の言葉の一つでも貰えればそれだけで数々の苦難は十分に報われた、かもしれないというのに。現実の彼に対する評価は…。これを哀れと呼ばずしてなんと呼ぼう。

ギルガメッシュは、なんというか征服王を倒した後は消化試合な感じが。面白かったことと言えば、聖杯の泥から受肉する辺りかな。

切嗣と言峰との戦いがサーヴァント戦より盛り上がってた気が。双方ともこの場では死なないはずなのだが途轍もない迫力があった。こいつら英霊たちとはまた別の方向で人間ではない。


聖杯が切嗣と交わした問答は、言いたいことは分かるしある意味本質を突いているのだろうがどうにも引っかかる。その質問は卑怯じゃないか。事前に分からない(予測できない)ネタを次から次へと続けるなよ。言いたいことは分かるけど納得いかないものがある。


他にも色々あったような気もするけどもうやめる。


でまぁ、読み終わってみてなるほど。ゼロに至る物語ってこういうことか。いや、大体想像はついていたけれど実際に読んで見るとそんな想像を越えるものがあるわけででしてね。全体について一言で言うと、うん、まさしく当初思ったとおりの読み応えのある前日譚だった。
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