暦物語 第12話「こよみデッド」
そして、運命の日が来る。
今回のエピソードは、三月。三月十三日。続く、と言った前回第11話の続き、というより『終(中)』のラストシーン直後に当たる。否、厳密に言うならば、これも適切な表現ではない。ここに至るまでの、これに説明を付けるための要素が『終(中)』で示された、とそう言うべきなのだ。
『暦』の原作は、『憑物』『終』『続・終』の三つしかタイトルが無かった筈のファイナルシーズンに、『憑物』発表からしばらく経った頃唐突に現れたものであった。連作短編の形式で徐々に作中時間を進めていき、最終的に発表時点で事実上の最新であった『憑物』(『花』の方が後だが、これは明らかに時間が飛び過ぎているので無視する)より進んでしまう。そして、そのままではまるで理解の追い付かないこのエピソードでもって唐突に幕を下ろす。その後、『終』も分冊を繰り返して話の引き延ばしにしか見えなかったが、『終(中)』の最後に至って見事ここに話が繋がる、とそういう構造だったわけだ。
とまぁ、そういうわけなので時系列上はこれが最新なのだが、私としては『終(中)』が種明かし編というか後回しに来る印象がある。実際問題、原作発表順にこれを読んだ読者が受けるパワーはすごいものがあると思う。初めて読んだ時の私がそうだった。なにせ、その時点では読者は臥煙先輩が何故心渡を持っているのか想像さえ出来ないのだから。まさか、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの最初の眷属が甦り、倒されたが、彼の着ていた鎧だけは拾って刀として打ち直した、なんてそんなストーリー想像出来るわけがない。
そして、訳の分からない話がしばし続いた末、最後に八九寺の登場という絶対にあり得ない衝撃の展開が待ち受ける。このインパクトは本当にすごい。
兎にも角にも、これにて事前の準備は全て終わり。いよいよ最終章となる『終(下)』を残すだけである。尤も、アニメ版がそれをやるかどうか、やるとしていつかは全く分からないが。後、発表順で言っても、時系列順で言っても『終(下)』より後の作品は幾つかあるが、それらは基本的に全て蛇足だと思っている。『終(下)』で大体全ての問題は解決が付く。
おまけ。アニメ版用の厳密な時系列。
『傷物』。春休みの事件。三月二十六日から四月七日まで。
↓
『暦』第1話『こよみストーン』。四月十一日。ラストシーンは翌日。
↓
『猫(黒)』。ゴールデンウィークの事件。四月二十九日から五月七日まで。
↓
『化物』より『ひたぎクラブ』。『猫(黒)』のラストシーンから直接繋がっていると思われる。
↓
『暦』第2話『こよみフラワー』のエピローグ以外。五月九日、十日。『ひたぎクラブ』の直後。
↓
『化物』より『まよいマイマイ』。母の日。定義上、五月十四日の筈。
↓
『こよみフラワー』のエピローグ。十万円は未だ払っていない。
↓
『化物』より『するがモンキー』『なでこスネイク』『つばさキャット』。
↓
『暦』第3話『こよみサンド』。
↓
『暦』第4話『こよみウォーター』。未だ戦場ヶ原に監禁されたことはない。
↓
『偽物(上)』。
↓
『暦』第5話『こよみウインド』のエピローグ以外。詐欺師の事件は終了済み。
↓
『偽物(下)』。ミスタードーナツで貝木と話すところまで。
↓
『こよみウインド』のエピローグ。
↓
『偽物(下)』。残り全て。
↓
『傾』。夏休み最後の日に始まり、エピローグで二学期最初の日(始業式)になる。
↓
『猫(白)』。『鬼』とはほぼ同時期に始まり、以降『終(中)』までの裏話。先ず、羽川家が燃える。羽川は学習塾跡で眠る。
↓
『鬼』のエピローグ以外。『傾』の最後から直に続く。二学期最初の日から翌々日まで。また、エピローグは大分後。先ずは、冒頭から以下の箇所まで。くらやみから逃れようとして知らない山に入ってしまっていたことを教えられる。ペアリングが切れていることを知る。「しんぱいすれな」のメールを出す(以上、八月二十二日の夜明け頃)。
↓
『猫(白)』。目を覚ました羽川が戦場ヶ原に保護されるところから、戦場ヶ原が羽川の料理に驚きその性格の欠陥を糾弾する辺りまで(八月二十二日から二十三日朝)。
↓
『鬼』。八月二十三日、どうにか山中の村に辿りつく。臥煙先輩の要求を聴き、くらやみについての説明を受ける。八九寺が成仏。神原を呼び出すメールはこの時期に出したと考えられる。
↓
『猫(白)』。羽川が神原と出会う。神原は阿良々木くんからメールを受け取ったという。その後、羽川は阿良々木家に泊まることになる。
↓
『終(中)』。『鬼』本編の最後から続く。これまたエピローグ(及び冒頭)は大分後。先ずは、神原と合流してから、名前の読み方が分からない公園を目指すも道に迷うまで。
↓
『猫(白)』。阿良々木家にて眠った羽川に代わりブラック羽川が現れる。忍と接触、学習塾跡が焼け落ちたのを確認。
↓
(ここに忍が説明した、猫との共闘の話があったのだと考えられる)
↓
『終(中)』。ようやくたどり着いた公園で忍と合流。怪異を倒した後、北白蛇神社にて臥煙先輩から説明を受ける。説明終了後、臥煙先輩は一足早く神社を出る。
↓
『猫(白)』。朝、羽川が目を覚ます。章番号が大胆に飛んでいる。登校中にエピソードや臥煙先輩と出会う。
↓
『終(中)』。阿良々木くんが五千円持って買い物に向かう。初代怪異殺しとの決闘が決まる。
↓
『猫(白)』。羽川が虎の正体を察し、戦いを挑む。
↓
『終(中)』。羽川からのメールを受けて、阿良々木家に神原を向かわせる。再生死屍累生死郎を倒す。
↓
『猫(白)』。阿良々木くんが羽川と虎との場に駆けつける。以下、最後まで。
↓
『暦』第6話『こよみツリー』。
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『暦』第7話『こよみティー』。十月。話の区切りを優先し、便宜上ここに置く。
↓
『終(上)』。十月下旬。扇との初対面。複数のエピソードからなり、作中でも数日経っているが、間に別のエピソードは絡まないので細かいことは割愛。
↓
『暦』第8話『こよみマウンテン』。千石が神になる直前の日。
↓
(千石が神になる)。該当エピソードはオチの性質上、どこからどこまで本当にあったことなのか不明なので、確実に言えることのみを記す。
↓
『鬼』のエピローグ。扇がいる、八九寺との別れは四か月前だと語られている、未だ学校が終わっていない、以上の点からこの位置。
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『暦』第9話『こよみトーラス』。学校に行っている様子が見られない。冬休み、年末であろう。
↓
『恋』。貝木と羽川とが話すところまで。
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『暦』第10話『こよみシード』のエピローグ以外。一月中旬。
↓
『恋』。残り全て。ラスト、千石の問題が解決した時点では二月になっている。
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『憑物』。二月十三日。
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『こよみシード』のエピローグ。説明から『憑物』終了後なのは確定。
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『暦』第11話『こよみナッシング』。二月下旬。
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『終(中)』のエピローグ(及び冒頭)。三月十三日、阿良々木くんの受験当日の朝。
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『暦』第12話『こよみデッド』。『終(中)』エピローグの直後。
今回のエピソードは、三月。三月十三日。続く、と言った前回第11話の続き、というより『終(中)』のラストシーン直後に当たる。否、厳密に言うならば、これも適切な表現ではない。ここに至るまでの、これに説明を付けるための要素が『終(中)』で示された、とそう言うべきなのだ。
『暦』の原作は、『憑物』『終』『続・終』の三つしかタイトルが無かった筈のファイナルシーズンに、『憑物』発表からしばらく経った頃唐突に現れたものであった。連作短編の形式で徐々に作中時間を進めていき、最終的に発表時点で事実上の最新であった『憑物』(『花』の方が後だが、これは明らかに時間が飛び過ぎているので無視する)より進んでしまう。そして、そのままではまるで理解の追い付かないこのエピソードでもって唐突に幕を下ろす。その後、『終』も分冊を繰り返して話の引き延ばしにしか見えなかったが、『終(中)』の最後に至って見事ここに話が繋がる、とそういう構造だったわけだ。
とまぁ、そういうわけなので時系列上はこれが最新なのだが、私としては『終(中)』が種明かし編というか後回しに来る印象がある。実際問題、原作発表順にこれを読んだ読者が受けるパワーはすごいものがあると思う。初めて読んだ時の私がそうだった。なにせ、その時点では読者は臥煙先輩が何故心渡を持っているのか想像さえ出来ないのだから。まさか、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの最初の眷属が甦り、倒されたが、彼の着ていた鎧だけは拾って刀として打ち直した、なんてそんなストーリー想像出来るわけがない。
そして、訳の分からない話がしばし続いた末、最後に八九寺の登場という絶対にあり得ない衝撃の展開が待ち受ける。このインパクトは本当にすごい。
兎にも角にも、これにて事前の準備は全て終わり。いよいよ最終章となる『終(下)』を残すだけである。尤も、アニメ版がそれをやるかどうか、やるとしていつかは全く分からないが。後、発表順で言っても、時系列順で言っても『終(下)』より後の作品は幾つかあるが、それらは基本的に全て蛇足だと思っている。『終(下)』で大体全ての問題は解決が付く。
おまけ。アニメ版用の厳密な時系列。
『傷物』。春休みの事件。三月二十六日から四月七日まで。
↓
『暦』第1話『こよみストーン』。四月十一日。ラストシーンは翌日。
↓
『猫(黒)』。ゴールデンウィークの事件。四月二十九日から五月七日まで。
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『化物』より『ひたぎクラブ』。『猫(黒)』のラストシーンから直接繋がっていると思われる。
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『暦』第2話『こよみフラワー』のエピローグ以外。五月九日、十日。『ひたぎクラブ』の直後。
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『化物』より『まよいマイマイ』。母の日。定義上、五月十四日の筈。
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『こよみフラワー』のエピローグ。十万円は未だ払っていない。
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『化物』より『するがモンキー』『なでこスネイク』『つばさキャット』。
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『暦』第3話『こよみサンド』。
↓
『暦』第4話『こよみウォーター』。未だ戦場ヶ原に監禁されたことはない。
↓
『偽物(上)』。
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『暦』第5話『こよみウインド』のエピローグ以外。詐欺師の事件は終了済み。
↓
『偽物(下)』。ミスタードーナツで貝木と話すところまで。
↓
『こよみウインド』のエピローグ。
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『偽物(下)』。残り全て。
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『傾』。夏休み最後の日に始まり、エピローグで二学期最初の日(始業式)になる。
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『猫(白)』。『鬼』とはほぼ同時期に始まり、以降『終(中)』までの裏話。先ず、羽川家が燃える。羽川は学習塾跡で眠る。
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『鬼』のエピローグ以外。『傾』の最後から直に続く。二学期最初の日から翌々日まで。また、エピローグは大分後。先ずは、冒頭から以下の箇所まで。くらやみから逃れようとして知らない山に入ってしまっていたことを教えられる。ペアリングが切れていることを知る。「しんぱいすれな」のメールを出す(以上、八月二十二日の夜明け頃)。
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『猫(白)』。目を覚ました羽川が戦場ヶ原に保護されるところから、戦場ヶ原が羽川の料理に驚きその性格の欠陥を糾弾する辺りまで(八月二十二日から二十三日朝)。
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『鬼』。八月二十三日、どうにか山中の村に辿りつく。臥煙先輩の要求を聴き、くらやみについての説明を受ける。八九寺が成仏。神原を呼び出すメールはこの時期に出したと考えられる。
↓
『猫(白)』。羽川が神原と出会う。神原は阿良々木くんからメールを受け取ったという。その後、羽川は阿良々木家に泊まることになる。
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『終(中)』。『鬼』本編の最後から続く。これまたエピローグ(及び冒頭)は大分後。先ずは、神原と合流してから、名前の読み方が分からない公園を目指すも道に迷うまで。
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『猫(白)』。阿良々木家にて眠った羽川に代わりブラック羽川が現れる。忍と接触、学習塾跡が焼け落ちたのを確認。
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(ここに忍が説明した、猫との共闘の話があったのだと考えられる)
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『終(中)』。ようやくたどり着いた公園で忍と合流。怪異を倒した後、北白蛇神社にて臥煙先輩から説明を受ける。説明終了後、臥煙先輩は一足早く神社を出る。
↓
『猫(白)』。朝、羽川が目を覚ます。章番号が大胆に飛んでいる。登校中にエピソードや臥煙先輩と出会う。
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『終(中)』。阿良々木くんが五千円持って買い物に向かう。初代怪異殺しとの決闘が決まる。
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『猫(白)』。羽川が虎の正体を察し、戦いを挑む。
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『終(中)』。羽川からのメールを受けて、阿良々木家に神原を向かわせる。再生死屍累生死郎を倒す。
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『猫(白)』。阿良々木くんが羽川と虎との場に駆けつける。以下、最後まで。
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『暦』第6話『こよみツリー』。
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『暦』第7話『こよみティー』。十月。話の区切りを優先し、便宜上ここに置く。
↓
『終(上)』。十月下旬。扇との初対面。複数のエピソードからなり、作中でも数日経っているが、間に別のエピソードは絡まないので細かいことは割愛。
↓
『暦』第8話『こよみマウンテン』。千石が神になる直前の日。
↓
(千石が神になる)。該当エピソードはオチの性質上、どこからどこまで本当にあったことなのか不明なので、確実に言えることのみを記す。
↓
『鬼』のエピローグ。扇がいる、八九寺との別れは四か月前だと語られている、未だ学校が終わっていない、以上の点からこの位置。
↓
『暦』第9話『こよみトーラス』。学校に行っている様子が見られない。冬休み、年末であろう。
↓
『恋』。貝木と羽川とが話すところまで。
↓
『暦』第10話『こよみシード』のエピローグ以外。一月中旬。
↓
『恋』。残り全て。ラスト、千石の問題が解決した時点では二月になっている。
↓
『憑物』。二月十三日。
↓
『こよみシード』のエピローグ。説明から『憑物』終了後なのは確定。
↓
『暦』第11話『こよみナッシング』。二月下旬。
↓
『終(中)』のエピローグ(及び冒頭)。三月十三日、阿良々木くんの受験当日の朝。
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『暦』第12話『こよみデッド』。『終(中)』エピローグの直後。
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