暦物語 第9話「こよみトーラス」
交渉とか愛情とか。
今回は、わりと本気でくだらない小話である。ドーナツとは穴の開いたお菓子のことではなく、ある種の食べ物の総称である、ぐらいのことなら誰しも知っているが、穴の開いたドーナツをトーラスドーナツと呼ぶというのはあまり知られていなかろう。少なくとも私は、この原作を読むまで知らなかった。そのようなトリビアが得られるぐらいである。
まぁ、強いて言うならば、だ。散々交渉だなんだと言っておきながら、最終的にはそれらしいことを全くしていない。騙すといって騙さなかった、それこそが最大の騙しだったのだ、というそれこそありふれたネタがきれいに決まったとか、そういうことは言える。後、只管会話が続くだけなのを強引に盛り上げるためにか、映像がかなりおかしいのも印象的。
今回のエピソードは、十二月。日付は原作からして指定されていない。まぁ、十二月絡みの本編は特に無いし、いつだって良いだろう、と思うのは素人。『鬼』のエピローグ、アニメ版だとEDが終わった後のいわゆるCパート、では八九寺との別れが四か月前だと言われている。八月下旬であるあの時期のことを四か月前というからには、十二月から翌一月ごろ、また、学校から帰る流れの場面なので年末年始というわけでもない時期である。こことの順番を考えてみたい。
問題の場面は原作だと、千石の件を先月と言っている。千石が神になったのは十一月二日で確定である。普通一月に十一月二日のことを先月とは言わない。仮に一月一日元旦だったとしても言わない。また、一月一日なら学校にいる筈はないから前提として明らかにおかしい。以上の理由から、問題の場面は十二月の未だ学校がある時期と考えざるを得ない。
対して、今回のエピソードは学校に行っている様子が無い。偶々休日だったという可能性は無くは無いけれど、受験勉強の差し入れを貰ったという状況設定からは、学校での授業が無いのが常態になっていると見るのがどちらかと言えば自然ではなかろうか。となれば順番は自明である。
おまけ。アニメ版用の厳密な時系列。
『傷物』。春休みの事件。三月二十六日から四月七日まで。
↓
『暦』第1話『こよみストーン』。四月十一日。ラストシーンは翌日。
↓
『猫(黒)』。ゴールデンウィークの事件。四月二十九日から五月七日まで。
↓
『化物』より『ひたぎクラブ』。『猫(黒)』のラストシーンから直接繋がっていると思われる。
↓
『暦』第2話『こよみフラワー』のエピローグ以外。五月九日、十日。『ひたぎクラブ』の直後。
↓
『化物』より『まよいマイマイ』。母の日。定義上、五月十四日の筈。
↓
『こよみフラワー』のエピローグ。十万円は未だ払っていない。
↓
『化物』より『するがモンキー』『なでこスネイク』『つばさキャット』。
↓
『暦』第3話『こよみサンド』。
↓
『暦』第4話『こよみウォーター』。未だ戦場ヶ原に監禁されたことはない。
↓
『偽物(上)』。
↓
『暦』第5話『こよみウインド』のエピローグ以外。詐欺師の事件は終了済み。
↓
『偽物(下)』。ミスタードーナツで貝木と話すところまで。
↓
『こよみウインド』のエピローグ。
↓
『偽物(下)』。残り全て。
↓
『傾』。夏休み最後の日に始まり、エピローグで二学期最初の日(始業式)になる。
↓
『猫(白)』。『鬼』とはほぼ同時期に始まり、以降『終(中)』までの裏話。先ず、羽川家が燃える。羽川は学習塾跡で眠る。
↓
『鬼』のエピローグ以外。『傾』の最後から直に続く。二学期最初の日から翌々日まで。また、エピローグは大分後。先ずは、冒頭から以下の箇所まで。くらやみから逃れようとして知らない山に入ってしまっていたことを教えられる。ペアリングが切れていることを知る。「しんぱいすれな」のメールを出す(以上、八月二十二日の夜明け頃)。
↓
『猫(白)』。目を覚ました羽川が戦場ヶ原に保護されるところから、戦場ヶ原が羽川の料理に驚きその性格の欠陥を糾弾する辺りまで(八月二十二日から二十三日朝)。
↓
『鬼』。八月二十三日、どうにか山中の村に辿りつく。臥煙先輩の要求を聴き、くらやみについての説明を受ける。八九寺が成仏。神原を呼び出すメールはこの時期に出したと考えられる。
↓
『猫(白)』。羽川が神原と出会う。神原は阿良々木くんからメールを受け取ったという。その後、羽川は阿良々木家に泊まることになる。
↓
『終(中)』。『鬼』本編の最後から続く。これまたエピローグ(及び冒頭)は大分後。先ずは、神原と合流してから、名前の読み方が分からない公園を目指すも道に迷うまで。
↓
『猫(白)』。阿良々木家にて眠った羽川に代わりブラック羽川が現れる。忍と接触、学習塾跡が焼け落ちたのを確認。
↓
(ここに忍が説明した、猫との共闘の話があったのだと考えられる)
↓
『終(中)』。ようやくたどり着いた公園で忍と合流。怪異を倒した後、北白蛇神社にて臥煙先輩から説明を受ける。説明終了後、臥煙先輩は一足早く神社を出る。
↓
『猫(白)』。朝、羽川が目を覚ます。章番号が大胆に飛んでいる。登校中にエピソードや臥煙先輩と出会う。
↓
『終(中)』。阿良々木くんが五千円持って買い物に向かう。初代怪異殺しとの決闘が決まる。
↓
『猫(白)』。羽川が虎の正体を察し、戦いを挑む。
↓
『終(中)』。羽川からのメールを受けて、阿良々木家に神原を向かわせる。再生死屍累生死郎を倒す。
↓
『猫(白)』。阿良々木くんが羽川と虎との場に駆けつける。以下、最後まで。
↓
『暦』第6話『こよみツリー』。
↓
『暦』第7話『こよみティー』。十月。話の区切りを優先し、便宜上ここに置く。
↓
『終(上)』。十月下旬。扇との初対面。複数のエピソードからなり、作中でも数日経っているが、間に別のエピソードは絡まないので細かいことは割愛。
↓
『暦』第8話『こよみマウンテン』。千石が神になる直前の日。
↓
(千石が神になる)。該当エピソードはオチの性質上、どこからどこまで本当にあったことなのか不明なので、確実に言えることのみを記す。
↓
『鬼』のエピローグ。扇がいる、八九寺との別れは四か月前だと語られている、未だ学校が終わっていない、以上の点からこの位置。
↓
『暦』第9話『こよみトーラス』。学校に行っている様子が見られない。冬休み、年末であろう。
↓
『恋』。千石の問題が解決。
↓
『憑物』。
↓
『終(中)』のエピローグ(及び冒頭)。三月十三日、阿良々木くんの受験当日の朝。
今回は、わりと本気でくだらない小話である。ドーナツとは穴の開いたお菓子のことではなく、ある種の食べ物の総称である、ぐらいのことなら誰しも知っているが、穴の開いたドーナツをトーラスドーナツと呼ぶというのはあまり知られていなかろう。少なくとも私は、この原作を読むまで知らなかった。そのようなトリビアが得られるぐらいである。
まぁ、強いて言うならば、だ。散々交渉だなんだと言っておきながら、最終的にはそれらしいことを全くしていない。騙すといって騙さなかった、それこそが最大の騙しだったのだ、というそれこそありふれたネタがきれいに決まったとか、そういうことは言える。後、只管会話が続くだけなのを強引に盛り上げるためにか、映像がかなりおかしいのも印象的。
今回のエピソードは、十二月。日付は原作からして指定されていない。まぁ、十二月絡みの本編は特に無いし、いつだって良いだろう、と思うのは素人。『鬼』のエピローグ、アニメ版だとEDが終わった後のいわゆるCパート、では八九寺との別れが四か月前だと言われている。八月下旬であるあの時期のことを四か月前というからには、十二月から翌一月ごろ、また、学校から帰る流れの場面なので年末年始というわけでもない時期である。こことの順番を考えてみたい。
問題の場面は原作だと、千石の件を先月と言っている。千石が神になったのは十一月二日で確定である。普通一月に十一月二日のことを先月とは言わない。仮に一月一日元旦だったとしても言わない。また、一月一日なら学校にいる筈はないから前提として明らかにおかしい。以上の理由から、問題の場面は十二月の未だ学校がある時期と考えざるを得ない。
対して、今回のエピソードは学校に行っている様子が無い。偶々休日だったという可能性は無くは無いけれど、受験勉強の差し入れを貰ったという状況設定からは、学校での授業が無いのが常態になっていると見るのがどちらかと言えば自然ではなかろうか。となれば順番は自明である。
おまけ。アニメ版用の厳密な時系列。
『傷物』。春休みの事件。三月二十六日から四月七日まで。
↓
『暦』第1話『こよみストーン』。四月十一日。ラストシーンは翌日。
↓
『猫(黒)』。ゴールデンウィークの事件。四月二十九日から五月七日まで。
↓
『化物』より『ひたぎクラブ』。『猫(黒)』のラストシーンから直接繋がっていると思われる。
↓
『暦』第2話『こよみフラワー』のエピローグ以外。五月九日、十日。『ひたぎクラブ』の直後。
↓
『化物』より『まよいマイマイ』。母の日。定義上、五月十四日の筈。
↓
『こよみフラワー』のエピローグ。十万円は未だ払っていない。
↓
『化物』より『するがモンキー』『なでこスネイク』『つばさキャット』。
↓
『暦』第3話『こよみサンド』。
↓
『暦』第4話『こよみウォーター』。未だ戦場ヶ原に監禁されたことはない。
↓
『偽物(上)』。
↓
『暦』第5話『こよみウインド』のエピローグ以外。詐欺師の事件は終了済み。
↓
『偽物(下)』。ミスタードーナツで貝木と話すところまで。
↓
『こよみウインド』のエピローグ。
↓
『偽物(下)』。残り全て。
↓
『傾』。夏休み最後の日に始まり、エピローグで二学期最初の日(始業式)になる。
↓
『猫(白)』。『鬼』とはほぼ同時期に始まり、以降『終(中)』までの裏話。先ず、羽川家が燃える。羽川は学習塾跡で眠る。
↓
『鬼』のエピローグ以外。『傾』の最後から直に続く。二学期最初の日から翌々日まで。また、エピローグは大分後。先ずは、冒頭から以下の箇所まで。くらやみから逃れようとして知らない山に入ってしまっていたことを教えられる。ペアリングが切れていることを知る。「しんぱいすれな」のメールを出す(以上、八月二十二日の夜明け頃)。
↓
『猫(白)』。目を覚ました羽川が戦場ヶ原に保護されるところから、戦場ヶ原が羽川の料理に驚きその性格の欠陥を糾弾する辺りまで(八月二十二日から二十三日朝)。
↓
『鬼』。八月二十三日、どうにか山中の村に辿りつく。臥煙先輩の要求を聴き、くらやみについての説明を受ける。八九寺が成仏。神原を呼び出すメールはこの時期に出したと考えられる。
↓
『猫(白)』。羽川が神原と出会う。神原は阿良々木くんからメールを受け取ったという。その後、羽川は阿良々木家に泊まることになる。
↓
『終(中)』。『鬼』本編の最後から続く。これまたエピローグ(及び冒頭)は大分後。先ずは、神原と合流してから、名前の読み方が分からない公園を目指すも道に迷うまで。
↓
『猫(白)』。阿良々木家にて眠った羽川に代わりブラック羽川が現れる。忍と接触、学習塾跡が焼け落ちたのを確認。
↓
(ここに忍が説明した、猫との共闘の話があったのだと考えられる)
↓
『終(中)』。ようやくたどり着いた公園で忍と合流。怪異を倒した後、北白蛇神社にて臥煙先輩から説明を受ける。説明終了後、臥煙先輩は一足早く神社を出る。
↓
『猫(白)』。朝、羽川が目を覚ます。章番号が大胆に飛んでいる。登校中にエピソードや臥煙先輩と出会う。
↓
『終(中)』。阿良々木くんが五千円持って買い物に向かう。初代怪異殺しとの決闘が決まる。
↓
『猫(白)』。羽川が虎の正体を察し、戦いを挑む。
↓
『終(中)』。羽川からのメールを受けて、阿良々木家に神原を向かわせる。再生死屍累生死郎を倒す。
↓
『猫(白)』。阿良々木くんが羽川と虎との場に駆けつける。以下、最後まで。
↓
『暦』第6話『こよみツリー』。
↓
『暦』第7話『こよみティー』。十月。話の区切りを優先し、便宜上ここに置く。
↓
『終(上)』。十月下旬。扇との初対面。複数のエピソードからなり、作中でも数日経っているが、間に別のエピソードは絡まないので細かいことは割愛。
↓
『暦』第8話『こよみマウンテン』。千石が神になる直前の日。
↓
(千石が神になる)。該当エピソードはオチの性質上、どこからどこまで本当にあったことなのか不明なので、確実に言えることのみを記す。
↓
『鬼』のエピローグ。扇がいる、八九寺との別れは四か月前だと語られている、未だ学校が終わっていない、以上の点からこの位置。
↓
『暦』第9話『こよみトーラス』。学校に行っている様子が見られない。冬休み、年末であろう。
↓
『恋』。千石の問題が解決。
↓
『憑物』。
↓
『終(中)』のエピローグ(及び冒頭)。三月十三日、阿良々木くんの受験当日の朝。
スポンサーサイト
トラックバック
暦物語 第9話「こよみトーラス」
第9話「こよみトーラス」
ガハラさんからの差し入れのドーナツをめぐる交渉術指南?
ドーナツを食べたがる忍が可愛いんじゃw
物語シリーズ ファイナルシーズン 「暦物語 第9話 こよみトーラス」
忍回。