暦物語 第1話「こよみストーン」
信仰について。
「怪異だから信仰されるのか――信仰されたから怪異になったのか」忍野の言葉は現実的には中々深いものがある。結論から言えば、この話の場合は信仰があったから怪異になったというような状況なのだが、大抵の場合はそんなこと明瞭には見極められない筈だ。というか、これはまさに鶏が先か卵が先かというような話だ。考え出すと途端に奥が深い。
と綺麗に終われないのが、この『物語』シリーズの世界である。信仰の対象と言えば多くは神や仏といったものであるが、しかし、このシリーズにはまさに神でありながら信仰のまるでない者というのがいる。千石のことだ。奴は自他ともに認める神になったが、別に信仰を集めて神になったわけではなく、神になった後もしばらく信者がいなかった。かつては確かに信仰があったが忘れられたとか、凋落したとかではなく、突如現れて信仰が一切無い神。そのようなものがあり得る世界。先の言葉も少し空しさがある。
このエピソードは四月十一日が主な舞台。私は、このアニメ化にあたって確かめるまできれいに忘れていたが、確かに原作の時点でそう書いてある。まぁ、こんな日付の指定が無かったとしても、四月に学校で羽川と仲睦まじく喋っている時点で『傷物』と『猫(黒)』との間なのは明らかであろう。ゴールデンウィークの事件は『つばさキャット』の回想と『猫(黒)』とで明らかに描写が異なっているところがあるので、個々の描写は全く信用出来ないが、さすがにこんなことをしている暇は無い筈である。
おまけ。アニメ版用の厳密な時系列。
『傷物』。春休みの事件。三月二十六日から四月七日まで。
↓
『暦』第1話「こよみストーン」。四月十一日。ラストシーンは翌日。
↓
『猫(黒)』。ゴールデンウィークの事件。四月二十九日から五月七日まで。
↓
『化物』。
↓
『偽物』。夏休み。
↓
『傾』。夏休み最後の日に始まり、エピローグで二学期最初の日(始業式)になる。
↓
『猫(白)』。『鬼』とはほぼ同時期に始まり、以降『終(中)』までの裏話。先ず、羽川家が燃える。羽川は学習塾跡で眠る。
↓
『鬼』のエピローグ以外。『傾』の最後から直に続く。二学期最初の日から翌々日まで。また、エピローグは大分後。先ずは、冒頭から以下の箇所まで。くらやみから逃れようとして知らない山に入ってしまっていたことを教えられる。ペアリングが切れていることを知る。「しんぱいすれな」のメールを出す(以上、八月二十二日の夜明け頃)。
↓
『猫(白)』。目を覚ました羽川が戦場ヶ原に保護されるところから、戦場ヶ原が羽川の料理に驚きその性格の欠陥を糾弾する辺りまで(八月二十二日から二十三日朝)。
↓
『鬼』。八月二十三日、どうにか山中の村に辿りつく。臥煙先輩の要求を聴き、くらやみについての説明を受ける。八九寺が成仏。神原を呼び出すメールはこの時期に出したと考えられる。
↓
『猫(白)』。羽川が神原と出会う。神原は阿良々木くんからメールを受け取ったという。その後、羽川は阿良々木家に泊まることになる。
↓
『終(中)』。『鬼』本編の最後から続く。これまたエピローグ(及び冒頭)は大分後。先ずは、神原と合流してから、名前の読み方が分からない公園を目指すも道に迷うまで。
↓
『猫(白)』。阿良々木家にて眠った羽川に代わりブラック羽川が現れる。忍と接触、学習塾跡が焼け落ちたのを確認。
↓
(ここに忍が説明した、猫との共闘の話があったのだと考えられる)
↓
『終(中)』。ようやくたどり着いた公園で忍と合流。怪異を倒した後、北白蛇神社にて臥煙先輩から説明を受ける。説明終了後、臥煙先輩は一足早く神社を出る。
↓
『猫(白)』。朝、羽川が目を覚ます。章番号が大胆に飛んでいる。登校中にエピソードや臥煙先輩と出会う。
↓
『終(中)』。阿良々木くんが五千円持って買い物に向かう。初代怪異殺しとの決闘が決まる。
↓
『猫(白)』。羽川が虎の正体を察し、戦いを挑む。
↓
『終(中)』。羽川からのメールを受けて、阿良々木家に神原を向かわせる。再生死屍累生死郎を倒す。
↓
『猫(白)』。阿良々木くんが羽川と虎との場に駆けつける。以下、最後まで。
↓
『終(上)』。扇との初対面。複数のエピソードからなり、作中でも数日経っているが、間に別のエピソードは絡まないので細かいことは割愛。
↓
(千石が神になる)。該当エピソードはオチの性質上、どこからどこまで本当にあったことなのか不明なので、確実に言えることのみを記す。
↓
『鬼』のエピローグ。扇がいる、八九寺との別れは四か月前だと語られている、以上の点からこの位置。
↓
『恋』。千石の問題が解決。
↓
『憑物』。
↓
『終(中)』のエピローグ(及び冒頭)。三月十三日、阿良々木くんの受験当日の朝。
「怪異だから信仰されるのか――信仰されたから怪異になったのか」忍野の言葉は現実的には中々深いものがある。結論から言えば、この話の場合は信仰があったから怪異になったというような状況なのだが、大抵の場合はそんなこと明瞭には見極められない筈だ。というか、これはまさに鶏が先か卵が先かというような話だ。考え出すと途端に奥が深い。
と綺麗に終われないのが、この『物語』シリーズの世界である。信仰の対象と言えば多くは神や仏といったものであるが、しかし、このシリーズにはまさに神でありながら信仰のまるでない者というのがいる。千石のことだ。奴は自他ともに認める神になったが、別に信仰を集めて神になったわけではなく、神になった後もしばらく信者がいなかった。かつては確かに信仰があったが忘れられたとか、凋落したとかではなく、突如現れて信仰が一切無い神。そのようなものがあり得る世界。先の言葉も少し空しさがある。
このエピソードは四月十一日が主な舞台。私は、このアニメ化にあたって確かめるまできれいに忘れていたが、確かに原作の時点でそう書いてある。まぁ、こんな日付の指定が無かったとしても、四月に学校で羽川と仲睦まじく喋っている時点で『傷物』と『猫(黒)』との間なのは明らかであろう。ゴールデンウィークの事件は『つばさキャット』の回想と『猫(黒)』とで明らかに描写が異なっているところがあるので、個々の描写は全く信用出来ないが、さすがにこんなことをしている暇は無い筈である。
おまけ。アニメ版用の厳密な時系列。
『傷物』。春休みの事件。三月二十六日から四月七日まで。
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『暦』第1話「こよみストーン」。四月十一日。ラストシーンは翌日。
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『猫(黒)』。ゴールデンウィークの事件。四月二十九日から五月七日まで。
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『化物』。
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『偽物』。夏休み。
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『傾』。夏休み最後の日に始まり、エピローグで二学期最初の日(始業式)になる。
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『猫(白)』。『鬼』とはほぼ同時期に始まり、以降『終(中)』までの裏話。先ず、羽川家が燃える。羽川は学習塾跡で眠る。
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『鬼』のエピローグ以外。『傾』の最後から直に続く。二学期最初の日から翌々日まで。また、エピローグは大分後。先ずは、冒頭から以下の箇所まで。くらやみから逃れようとして知らない山に入ってしまっていたことを教えられる。ペアリングが切れていることを知る。「しんぱいすれな」のメールを出す(以上、八月二十二日の夜明け頃)。
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『猫(白)』。目を覚ました羽川が戦場ヶ原に保護されるところから、戦場ヶ原が羽川の料理に驚きその性格の欠陥を糾弾する辺りまで(八月二十二日から二十三日朝)。
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『鬼』。八月二十三日、どうにか山中の村に辿りつく。臥煙先輩の要求を聴き、くらやみについての説明を受ける。八九寺が成仏。神原を呼び出すメールはこの時期に出したと考えられる。
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『猫(白)』。羽川が神原と出会う。神原は阿良々木くんからメールを受け取ったという。その後、羽川は阿良々木家に泊まることになる。
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『終(中)』。『鬼』本編の最後から続く。これまたエピローグ(及び冒頭)は大分後。先ずは、神原と合流してから、名前の読み方が分からない公園を目指すも道に迷うまで。
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『猫(白)』。阿良々木家にて眠った羽川に代わりブラック羽川が現れる。忍と接触、学習塾跡が焼け落ちたのを確認。
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(ここに忍が説明した、猫との共闘の話があったのだと考えられる)
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『終(中)』。ようやくたどり着いた公園で忍と合流。怪異を倒した後、北白蛇神社にて臥煙先輩から説明を受ける。説明終了後、臥煙先輩は一足早く神社を出る。
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『猫(白)』。朝、羽川が目を覚ます。章番号が大胆に飛んでいる。登校中にエピソードや臥煙先輩と出会う。
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『終(中)』。阿良々木くんが五千円持って買い物に向かう。初代怪異殺しとの決闘が決まる。
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『猫(白)』。羽川が虎の正体を察し、戦いを挑む。
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『終(中)』。羽川からのメールを受けて、阿良々木家に神原を向かわせる。再生死屍累生死郎を倒す。
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『猫(白)』。阿良々木くんが羽川と虎との場に駆けつける。以下、最後まで。
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『終(上)』。扇との初対面。複数のエピソードからなり、作中でも数日経っているが、間に別のエピソードは絡まないので細かいことは割愛。
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(千石が神になる)。該当エピソードはオチの性質上、どこからどこまで本当にあったことなのか不明なので、確実に言えることのみを記す。
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『鬼』のエピローグ。扇がいる、八九寺との別れは四か月前だと語られている、以上の点からこの位置。
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『恋』。千石の問題が解決。
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『憑物』。
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『終(中)』のエピローグ(及び冒頭)。三月十三日、阿良々木くんの受験当日の朝。
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