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終物語 第12話「しのぶメイル其ノ陸」

『終(中)』ここに終わる。

そして、『終』の終わりが始まる、筈だったのである。


『終(中)』は主に語られる、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの最初の眷属が甦る、という話題こそ二学期初期になる八月下旬に起きたことだが、実際にはその話題を未来に回想して語っていたというものであった。扇を相手に語っていた。その日は阿良々木くんの受験当日。これは原作刊行順では非常に重要な意味を持っていた。

原作の発表順では『憑物』と『終(上)』との間に全十二話からなる連作短編『暦』というのがあった。その最後を飾る十二話目はあまりにも衝撃展開と、もはや理解を絶したラストシーンとがあったのだが、その舞台となる日こそが阿良々木くんの受験当日なのである。そして、それは『終(中)』が実は受験当日の朝、出かける直前に語られたのだということ及び扇が明かした幾つかの事実によって一気に意味が変わる。そういう仕掛けだったのだ。

『暦』はこれから極めて特殊な方法で映像作品になるらしいが、遅きに失している感は否めない。変な遊び心なんていらないから『終(中)』以前にすべきだった。『暦』との順番は、受験当日であることに関してだけ言えば話を時系列順にしているのだと言い張れないこともないが、斧乃木への「きみのご主人が行方不明になった場所だよ」も『暦』のあるエピソードを踏まえての発言なので結局時系列順に出来ておらず、意味が無い。

「これでパズルのピースが、すべて埋まりましたよ。」という扇の発言は、読者の印象としても、全くその通りなのである。ここまで全てを読めばミッシングリンクはほぼ無くなる。後は、最終章として全てに決着をつける解決編が始まるだけだ、という状況になる。『終(上)』のミステリー性に関する最も重要な部分カットしたとき薄々嫌な予感はしていたが、このアニメ版はつくづく作品のギミックを壊してくるな。


ちなみに、いまいち意味不明にカットされた描写が幾つかあるので、そもそも「パズルのピースがすべて埋ま」っていない。今までの削られた部分との整合を考えれば仕方のない部分もある。だが、決闘の場に斧乃木がいなかったのはお札を取りに行くため、というのは言っても良かっただろう。これは再生死屍累生死郎を倒すのに使ったのとは別の、神を作るためのもの。千石が使ってしまったあれである。


映像面でもがっかり感がひどい。怪異を封じるお札を張られた再生死屍累生死郎が人の形を崩し、無数の怪異を、生物の姿を溢れ出させる、というシーン。ここの生物を全部文字で表すというのは無いよ。考えてみてもいただきたい。一定の範囲から、明らかにその範囲を超える物量のものが現れるという場面を。これほど映像に映えるシーンも無い。これを真面目に描かないでどうする。

そもそも、怪異を文字で表すというのは、実際には最初の蟹ぐらいでしかやっていない筈だ。あれは、姿は見えないが確かにそこに蟹がいるのが分かる、という映像化を拒んだ表現に対する打開策だった筈。明らかに実態があるものに対して使う手法ではない。


全体的にアニメ版『物語』シリーズでは久しぶりに、アニメ版としての出来が気に食わない作品であった。原作の時点で既に気に食わなかった、ではなく。『終(上)』も『終(中)』も原作では文句なく楽しめた作品で、気に入っている。只々アニメ版が気に食わないだけ。


おまけ。アニメ版用の厳密な時系列。

『傾』。夏休み最後の日に始まり、エピローグで二学期最初の日(始業式)になる。

『猫(白)』。『鬼』とはほぼ同時期に始まり、以降『終(中)』までの裏話。先ず、羽川家が燃える。羽川は学習塾跡で眠る。

『鬼』のエピローグ以外。『傾』の最後から直に続く。二学期最初の日から翌々日まで。また、エピローグは大分後。先ずは、冒頭から以下の箇所まで。くらやみから逃れようとして知らない山に入ってしまっていたことを教えられる。ペアリングが切れていることを知る。「しんぱいすれな」のメールを出す(以上、八月二十二日の夜明け頃)。

『猫(白)』。目を覚ました羽川が戦場ヶ原に保護されるところから、戦場ヶ原が羽川の料理に驚きその性格の欠陥を糾弾する辺りまで(八月二十二日から二十三日朝)。

『鬼』。八月二十三日、どうにか山中の村に辿りつく。臥煙先輩の要求を聴き、くらやみについての説明を受ける。八九寺が成仏。神原を呼び出すメールはこの時期に出したと考えられる。

『猫(白)』。羽川が神原と出会う。神原は阿良々木くんからメールを受け取ったという。その後、羽川は阿良々木家に泊まることになる。

『終(中)』。『鬼』本編の最後から続く。これまたエピローグ(及び冒頭)は大分後。先ずは、神原と合流してから、名前の読み方が分からない公園を目指すも道に迷うまで。

『猫(白)』。阿良々木家にて眠った羽川に代わりブラック羽川が現れる。忍と接触、学習塾跡が焼け落ちたのを確認。

(ここに忍が説明した、猫との共闘の話があったのだと考えられる)

『終(中)』。ようやくたどり着いた公園で忍と合流。怪異を倒した後、北白蛇神社にて臥煙先輩から説明を受ける。説明終了後、臥煙先輩は一足早く神社を出る。

『猫(白)』。朝、羽川が目を覚ます。章番号が大胆に飛んでいる。登校中にエピソードや臥煙先輩と出会う。

『終(中)』。阿良々木くんが五千円持って買い物に向かう。初代怪異殺しとの決闘が決まる。

『猫(白)』。羽川が虎の正体を察し、戦いを挑む。

『終(中)』。羽川からのメールを受けて、阿良々木家に神原を向かわせる。再生死屍累生死郎を倒す。

『猫(白)』。阿良々木くんが羽川と虎との場に駆けつける。以下、最後まで。

『終(上)』。扇との初対面。複数のエピソードからなり、作中でも数日経っているが、間に別のエピソードは絡まないので細かいことは割愛。

(千石が神になる)。該当エピソードはオチの性質上、どこからどこまで本当にあったことなのか不明なので、確実に言えることのみを記す。

『鬼』のエピローグ。扇がいる、八九寺との別れは四か月前だと語られている、以上の点からこの位置。

『恋』。千石の問題が解決。

『憑物』。

『終(中)』のエピローグ(及び冒頭)。三月十三日、阿良々木くんの受験当日の朝。
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テーマ : 〈物語〉シリーズ
ジャンル : アニメ・コミック

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