終物語 第11話「しのぶメイル其ノ伍」

初代を巡るそれぞれの考え。

正直、神原の話の部分が長過ぎる。


今回の話は大きく分けて二つ。阿良々木くんと初代怪異殺しとの対峙、神原と忍との会話。どちらも究極的には、初代怪異殺しをどうするか、というところに収束していく。話は全くぶれていない。それは良いのだが、しかし、神原の部分があまりにも長過ぎる。良いことを言っている風で、実際ストーリー展開上必要な部分もあるが、ここだけに力を入れられるのもどうもなぁ。

これは完全に個人的問題であるが。私は、もう終わってもなにもおかしくない流れの話を無理矢理蒸し返して続けるのが好きではない。忍と初代怪異殺しとの関係はそういうのの典型だ。二人の関係はもう終わったことで、そして今回の話題はそれとは特に関係無く終わろうとしている。会うべきだとか何とか、勝手な熱を吹かれても困る。

実はこれ、原作だと作中でもつっこまれている。

 後世の人がもしも判断するのであれば、神原の言っていることは、正しいと思うだろう――だが、同じ時代を、同じ場所で生きる者としては、彼女の意見は苛烈過ぎる。
 どう考えても行き過ぎている。
 中でも僕のような、あまり外向きではない人格の人間からすれば、社交免許皆伝とも言うべき彼女の生きざまは、完全に理解の外だ。
 それなりにまとまっているところへ波風どころか荒風を立てられているようなものだ――こっちはそれがわかっているのに、どうして穏やかにまとめさせてくれないのかと、頭を抱えたくなる。
『終物語(中)』255頁

正確には阿良々木くんのモノローグで、神原の性格そのものへの分析といった風だが、今回の問題に関していうなら、私は完全に同意である。もう終わりそうな話なんだから、余計な波風を立てずにさっさと終わってくれ。


けれど、ここまではあくまで私の好みに反している、という話でしかない。今回のアニメ版が本当によろしくないのは、一連の神原の発言だけ長々と力を入れていて、周りがお粗末極まりないこと。例えば、忍の「憎み合って別れ」という言葉は、実は忍が初代を憎んでいたという意味が初出なのである。ここから、阿良々木くんは神原が「僕では引き出せなかった忍の感情を、引き出してみせた」と受け取る。そして、こういう点で有能な神原を、こういう風に忍とぶつけることこそが、臥煙先輩が神原を巻き込んだ本当の理由だったのではないかと考える。こういう流れが完全にカットされている。阿良々木くんが臥煙先輩のことをどれだけ超人的と思っているかがよく分かるから、あっても良いと思うのだが。

それから、初代が、この町で起こる怪異譚で知らないことはない、怪異に関する限りこの周辺では全能に近い、というとんでもない設定があるのだが触れられなかった。これは言わなければ駄目だろ。十五年前から町における全ての怪異譚の遠因であり、それらの怪異を通じて知識を集めた。そして、ここまでの展開のように怪異の使役も出来る。まさに何でもあり。これは伏線でもあるから絶対に言わなければいけない。


おまけ。アニメ版用の厳密な時系列。

『傾』。夏休み最後の日に始まり、エピローグで二学期最初の日(始業式)になる。

『猫(白)』。『鬼』とはほぼ同時期に始まり、以降『終(中)』までの裏話。先ず、羽川家が燃える。羽川は学習塾跡で眠る。

『鬼』のエピローグ以外。『傾』の最後から直に続く。二学期最初の日から翌々日まで。また、エピローグは大分後。先ずは、冒頭から以下の箇所まで。くらやみから逃れようとして知らない山に入ってしまっていたことを教えられる。ペアリングが切れていることを知る。「しんぱいすれな」のメールを出す(以上、八月二十二日の夜明け頃)。

『猫(白)』。目を覚ました羽川が戦場ヶ原に保護されるところから、戦場ヶ原が羽川の料理に驚きその性格の欠陥を糾弾する辺りまで(八月二十二日から二十三日朝)。

『鬼』。八月二十三日、どうにか山中の村に辿りつく。臥煙先輩の要求を聴き、くらやみについての説明を受ける。八九寺が成仏。神原を呼び出すメールはこの時期に出したと考えられる。

『猫(白)』。羽川が神原と出会う。神原は阿良々木くんからメールを受け取ったという。その後、羽川は阿良々木家に泊まることになる。

『終(中)』。『鬼』本編の最後から続く。これまたエピローグ(及び冒頭)は大分後。その時点はネタバレなので今は言わない。先ずは、神原と合流してから、名前の読み方が分からない公園を目指すも道に迷うまで。

『猫(白)』。阿良々木家にて眠った羽川に代わりブラック羽川が現れる。忍と接触、学習塾跡が焼け落ちたのを確認。

(ここに忍が説明した、猫との共闘の話があったのだと考えられる)

『終(中)』。ようやくたどり着いた公園で忍と合流。怪異を倒した後、北白蛇神社にて臥煙先輩から説明を受ける。説明終了後、臥煙先輩は一足早く神社を出る。

『猫(白)』。朝、羽川が目を覚ます。章番号が大胆に飛んでいる。登校中にエピソードや臥煙先輩と出会う。

『終(中)』。阿良々木くんが五千円持って買い物に向かう。初代怪異殺しとの決闘が決まる。←今ここ

『猫(白)』。羽川が虎の正体を察し、戦いを挑む。以下、最後まで。

『終(上)』。扇との初対面。複数のエピソードからなり、作中でも数日経っているが、間に別のエピソードは絡まないので細かいことは割愛。

(千石が神になる)。該当エピソードはオチの性質上、どこからどこまで本当にあったことなのか不明なので、確実に言えることのみを記す。

『鬼』のエピローグ。扇がいる、八九寺との別れは四か月前だと語られている、以上の点からこの位置。

『恋』。千石の問題が解決。

『憑物』。
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テーマ : 〈物語〉シリーズ
ジャンル : アニメ・コミック

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