fc2ブログ

Charlotte 第13話「これからの記録」

ストレンジャー・能力者・ザン・フィクション。

口を開けば悪口雑言を吐いてしまいそうなので、努めて冷静に行く。


有宇は実際世界中を回り、全ての能力者の能力を集めたが記憶を失ったのだ、終わり。何なんだよ、この終わり方は、という気持ちが拭えません。有宇の体験を悲劇だと思って悲しんでいるわけではなく、むしろ逆です。自分勝手で独善的目的のもといたるところで迷惑を掛けた狂人が、その行いに比べて軽過ぎるインガオホーを受けた。そういうふざけた話に見える。

私は有宇をいささか見くびっていた面もあり、その考え違いから印象を歪ませている感があるのを否定はしない。しかしながら彼が独善的思考に満ちた狂人であるのは疑う余地が無い。能力者研究施設で大暴れをするのは良しとしよう。結局実際の画面には出なかったが、研究のために肝心の能力者を廃人にしてしまう本末転倒な輩もいるようだしな。武装した連中を叩きのめすのも、まぁ、ありだろう。命の危機だしな。

けれど能力者の能力を奪うのは、もともとそれが目的とはいえ、画面に映っている範囲では納得し難い例が多過ぎる。特に、社会に貢献しているだけで邪悪ではなさそうな医療能力を奪ったあたりが狂人の思考である。どの道、いずれ使えなくなるとはいえ、現在問題が無いものをつぶして良いことにはならないのでは。それは、人はいずれ死ぬから殺しても良いと言っているようなものでは。兎に角。相手の背景や内心も深く考えず、相手の人生を変えかねないことをやり、挙句特に悪いこともしてない奴の能力さえ勝手に奪っておいて、本人の被害は記憶喪失で済ますとか。そこは普通に死んでおけ。後ろから撃たれたあたりで。

だが、ここで冷静に考えてみる。どうも今回における彼の行動には、能力者が能力を使わない状態にしてやる、それは能力者にとっても救いである筈だ、という訳の分からない上から目線がある。これは会長のスタンスに極めて近いと考えられる。奴も、邪悪な研究者から能力者の身を救う、というのが自らの無法の正当化をする大義名分になっていると思い込んでいるのでは、と思えるほど人の心身を痛めつける無法な行為が特徴だった。かつてそういう被害を受けた有宇が今度はそれを他人にする番になった、という逆転というか連鎖というか、そういうことが起きているとも言える。もし、そのような受ける印象と作中人物自身が思っている自己評価との甚だしい乖離とを含めて全てが製作者の意図通りなのだとすれば、私はある意味感心する。まぁ、だから何だって話ではあるんですが。


最後に、製作者の一致などからしばしば話題になる『Angel Beats!』との対比など。私は、あの作品の最終回を見たとき、そこまで抱いていた不平不満の全てを許した。作品名が実は重大な意味を隠し持っていたと分かったこと、最初にあったどうでも良さそうな描写が実は伏線だったこと、歌の文句との関連等々。そういったものにより、ミステリーとしての感動を大いに抱き、終わり良ければ総て良しという気分になったのだ。それに比べて本作はいささか弱い。何より作品名に大して面白い意味が無かったのが一番の減点だ。

また、『Angel Beats!』の最終回は、ゲームでいえば一つのルートのエンディングだけをいきなり見せられたようなもの、みたいな意見も当時幾つか見られましたが、あれは一応全ての締めくくりとなるグランドフィナーレっぽくもある。少なくとも、最初から挑める複数のルートの一つ、程度には見えない。そういえば『Angel Beats!』のゲームってどうなったんでしょうね。さておき。対して、本作のこの最終回は何であろう。とりあえず終わり方を一つ考えたという感じで、とても全ての締め括りには見えない。そう思う最大の理由は、やはり作品名に大して面白い意味が無かったからだが。くどいようだが何度でも言う。二重三重の意味を持つ『Angel Beats!』は神がかっている。

まとめ。私にとっては、最後まで見続けても特に引き付けられるものが無く、その点で『Angel Beats!』に大きく見劣りしている。結局“Charlotte”てどういう意図だ。作中の固有名詞、では答えにならんぞ。
スポンサーサイト



テーマ : Charlotte(シャーロット)
ジャンル : アニメ・コミック

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

Charlotte TokyoMX(9/26)#13終

最終回 第13話 これからの記録 由宇を空港で見送った隼翼。 シンガポールに入国、フィリピンに移動して 能力者のリストを購入。 リーダーを探して能力者探知能力を持つものを探す。その能力で南アフリカでも能力を奪う。自動翻訳の能力を手に入れる。眠らなくても行動できる能力、能力を教える能力も。キャリアとは能力発動予定者のこと。ウイルスを促進させる能力でキャリアの能力を 発動させて奪う。ペルーでは治...

【Charlotte(シャーロット)】 第13話『これからの記録』 感想 (キャプ付)

Charlotte(シャーロット) 第13話『これからの記録』 感想(画像付) 世界を巡り、全ての能力を奪取してきた有宇。 代償に記憶を失って還ってくるとは…。 これからの有宇たちには、楽しいことだけあるといいねってラストでした。 シャーロットの子たちに幸あれですね。 有宇が下した決断。 それは地球上のすべての特殊能力者の能力を奪うこと。 それは、すべての能力者...

アニメ感想 15/09/26(土) #Charlotte 第13話(終)

Charlotte 第13話『これからの記録』(終)今回は・・・最終回だったのですが・・・なんか最後のRewriteのアニメ化決定がすべて持っていった感じがします。アニメ化も驚いたけど、制作 ...

Charlotte -シャーロット- 第13話「これからの記録」

Charlotte -シャーロット- 第13話「これからの記録」です。 いよいよ

Charlotte 第13話 これからの記録 

能力略奪の旅の末に・・・・

Charlotte(シャーロット) 第13話 「これからの記録」 感想

さあ、世界旅行の始まりだ(笑)

Charlotte(シャーロット)第13話(最終話)「これからの記録」感想&総評

Charlotte(シャーロット)第13話(最終話)の感想&総評です≪あらすじ≫(TVアニメ公式サイトより引用)有宇が下した決断。それは地球上のすべての特殊能力者の能力を奪うこと。それは、すべての能力者を救う選択。しかしそれは同時に有宇に大きな代償を支払わせる選択であった。 最 後 の 戦 いすべての能力者を救うため、そして友利との約束を果たすために最後の戦いへと挑む有宇。残り1話で綺麗に...

Charlotte 第13話 これからの記録

海外に渡航した有宇は怪しげな男からリストを買い、組織のリーダーに接触。 心を読む能力を奪った上で、どうやって能力者を探しているか等を引き出しますが、そんな日常会話を ...

【アニメ感想】Charlotte(シャーロット) 13話まで見ての感想と、考察

思春期の少年少女のごく一部に、不完全な「特殊能力」が発症する世界。 他人の体を5秒だけ乗っ取る能力を持つ少年・乙坂有宇は、これを人知れず悪用しエセ優等生生活を送っていたが、 星ノ海学園生徒会の友利奈緒と高城丈士朗に見破られ、妹・乙坂歩未と共に学園に転入、 生徒会で自分たちと同じ能力者に警告する活動に協力することになる。 原作・脚本 - 麻枝准 原作協力 - 馬場隆博...

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

11番の日記

Author:11番の日記
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
FC2カウンター
フリーエリア