アルドノア・ゼロ 第24話「いつか見た流星」
時間を無駄にした。
この番組を見た11時間ぐらいはどぶに捨てた、そんな印象が残った。
この番組のストーリーは結局スレインをいじめたかっただけなんじゃないのか。途中までは伊奈帆とスレインとのダブル主人公だという公式側の説明を信じていたから、スレインがよほど悲惨な目にあっても耐えられた。何故なら主人公が苦しむのは当然のことであり、苦難を乗り越えて達成を得るのが普通のストーリー作りというものだからだ。
だが、スレインには何も無い。受けた艱難に見合う見返りが何も無いのだ。ただひたすら求めていないものだけが手に入り、求めたものは手に入らず或いは失うだけの物語だった。これのどこが主人公だ。結局主人公と称された人物がまるで主人公として働いておらず、盛大な詐欺を食らって時間を無駄にした気分だよ。これが本物の虚淵玄の作品ならこんなたわけた事態にはならない。たとえ息苦しい終わり方に見えても(少なくとも本人とっての)幸福やら未来への希望やらが幾ばくかはある筈だ。スレインにそれがあっただろうか。
もし、アセイラムの命で生きながらえたことが救いだというのなら、それこそ馬鹿だ。生命活動があるから救いという発想はあまりに安易だ。『鬼哭街』の主人公を見なさい。最後の闘いで間違いなく人としての生命活動は終わったけど、その結末は間違いなく幸福な雰囲気に満ちている。という与太はさておきさ。スレインに対する救いというのなら、アセイラムが真面目に彼の相手をして、その考えに理解を示すみたいなのが必要だろ。手段は問題だったが根底の考えは良かったので、私がもっと上手くやってやる、というようなことを言ったりしてさ。そういうの一切無しで、伊奈帆に生かさせたのが救いとか馬鹿か。
トロイヤード博士が最後まで舞台装置だったのはもう諦めるとして、アルドノアを誰でも使えるようにする研究がもう出来上がっているというのはさすがにデウス・エクス・マキナが過ぎませんかね。更にスレインが暗殺の責任まで押し付けられているのはさすがに笑い話ではすまない。アセイラムはザーツバルムが黒幕であるのを知っている筈ですよね。暗殺未遂事件があったときのスレインにザーツバルムと接点は全く無く、共謀は絶対不可能。スレインがどれほど賢しかろうと、先ずザーツバルムが事件を起こしてその後スレインが計画を奪った以外の展開は成り立たない筈。こんな荒唐無稽な話を流しているとはアセイラムはどれだけスレインのことが嫌いなんだ。
スレインが月面基地を自爆させたあと、スレイン派の皆さんが続々と踵を返して馳せ参じる辺りは今回きっての感動シーンだと思います。レムリナといい、あの人たちといい、スレインは自分の元を離れず愛してくれる人たちをとっくに手に入れていたのだなぁ。だが、ここでエデルリッゾが何もしないのは納得行かない。前回、目の節穴なアセイラムに対して「スレイン様は何も変わっていない」ということで熱弁を振るったのに、今回この流れでは微動だにしない。どういうことだよ。ここでエデルリッゾにアセイラムを後ろから撃たせるぐらいのことをしないのが、この作品の駄目なところだ。
いや、これは全く冗談ではなくわりと本気ですよ。考えてみましょう。クルーテオシニアは友人である筈のザーツバルムに消された。結構長きに亘って親しくしていたようで、そのような行動に出られるとクルーテオは直前までまるで思っていなかった。そのザーツバルムは息子と呼んだスレインに殺された。この戦争は火星の未来の改革に繋がるもので、スレインはそれに賛同する側近だと信じ、決定的行動に出られるまで裏切りなどまるで考えていなかった。そしてスレインは彼の行動原理そのものであるアセイラムの離反で破滅を迎えた。これは背かれること自体は考えていたが、最終的手段があんな(頭の悪い)方法だとは完全に予想外だった。だとするならば、アセイラムの行動もまた彼女にとって到底信じ難い人物の裏切りやとんでもない行動によって阻まれなければバランスが悪い。そこにエデルリッゾはちょうど良い。
アセイラムは悟ったようなことを言っていたがザーツバルムやスレインがなぜそのような道を選らばなければならなかったのかは全く理解せず、単純に「戦争は良くない」と小学生レベルの発想でものを言っているような安易さを感じる。そのアセイラムが天下を取って戦いは終わり、地球は平和になりましたって馬鹿じゃないの。結局ほぼ最悪の結末だったな。火星の資源や文化はどうなる。お互いの差別感情は。そういったものに由来する指導者への反感は。そこらを全く無視で、上手く行ったように言うな。欺瞞がひど過ぎる。
あぁ、もう、もっと色々書きたかったけれどそろそろ止めよう。こうして、グダグダ書いた私の文章がまた盛大に時間を無駄している、というオチ。
この番組を見た11時間ぐらいはどぶに捨てた、そんな印象が残った。
この番組のストーリーは結局スレインをいじめたかっただけなんじゃないのか。途中までは伊奈帆とスレインとのダブル主人公だという公式側の説明を信じていたから、スレインがよほど悲惨な目にあっても耐えられた。何故なら主人公が苦しむのは当然のことであり、苦難を乗り越えて達成を得るのが普通のストーリー作りというものだからだ。
だが、スレインには何も無い。受けた艱難に見合う見返りが何も無いのだ。ただひたすら求めていないものだけが手に入り、求めたものは手に入らず或いは失うだけの物語だった。これのどこが主人公だ。結局主人公と称された人物がまるで主人公として働いておらず、盛大な詐欺を食らって時間を無駄にした気分だよ。これが本物の虚淵玄の作品ならこんなたわけた事態にはならない。たとえ息苦しい終わり方に見えても(少なくとも本人とっての)幸福やら未来への希望やらが幾ばくかはある筈だ。スレインにそれがあっただろうか。
もし、アセイラムの命で生きながらえたことが救いだというのなら、それこそ馬鹿だ。生命活動があるから救いという発想はあまりに安易だ。『鬼哭街』の主人公を見なさい。最後の闘いで間違いなく人としての生命活動は終わったけど、その結末は間違いなく幸福な雰囲気に満ちている。という与太はさておきさ。スレインに対する救いというのなら、アセイラムが真面目に彼の相手をして、その考えに理解を示すみたいなのが必要だろ。手段は問題だったが根底の考えは良かったので、私がもっと上手くやってやる、というようなことを言ったりしてさ。そういうの一切無しで、伊奈帆に生かさせたのが救いとか馬鹿か。
トロイヤード博士が最後まで舞台装置だったのはもう諦めるとして、アルドノアを誰でも使えるようにする研究がもう出来上がっているというのはさすがにデウス・エクス・マキナが過ぎませんかね。更にスレインが暗殺の責任まで押し付けられているのはさすがに笑い話ではすまない。アセイラムはザーツバルムが黒幕であるのを知っている筈ですよね。暗殺未遂事件があったときのスレインにザーツバルムと接点は全く無く、共謀は絶対不可能。スレインがどれほど賢しかろうと、先ずザーツバルムが事件を起こしてその後スレインが計画を奪った以外の展開は成り立たない筈。こんな荒唐無稽な話を流しているとはアセイラムはどれだけスレインのことが嫌いなんだ。
スレインが月面基地を自爆させたあと、スレイン派の皆さんが続々と踵を返して馳せ参じる辺りは今回きっての感動シーンだと思います。レムリナといい、あの人たちといい、スレインは自分の元を離れず愛してくれる人たちをとっくに手に入れていたのだなぁ。だが、ここでエデルリッゾが何もしないのは納得行かない。前回、目の節穴なアセイラムに対して「スレイン様は何も変わっていない」ということで熱弁を振るったのに、今回この流れでは微動だにしない。どういうことだよ。ここでエデルリッゾにアセイラムを後ろから撃たせるぐらいのことをしないのが、この作品の駄目なところだ。
いや、これは全く冗談ではなくわりと本気ですよ。考えてみましょう。クルーテオシニアは友人である筈のザーツバルムに消された。結構長きに亘って親しくしていたようで、そのような行動に出られるとクルーテオは直前までまるで思っていなかった。そのザーツバルムは息子と呼んだスレインに殺された。この戦争は火星の未来の改革に繋がるもので、スレインはそれに賛同する側近だと信じ、決定的行動に出られるまで裏切りなどまるで考えていなかった。そしてスレインは彼の行動原理そのものであるアセイラムの離反で破滅を迎えた。これは背かれること自体は考えていたが、最終的手段があんな(頭の悪い)方法だとは完全に予想外だった。だとするならば、アセイラムの行動もまた彼女にとって到底信じ難い人物の裏切りやとんでもない行動によって阻まれなければバランスが悪い。そこにエデルリッゾはちょうど良い。
アセイラムは悟ったようなことを言っていたがザーツバルムやスレインがなぜそのような道を選らばなければならなかったのかは全く理解せず、単純に「戦争は良くない」と小学生レベルの発想でものを言っているような安易さを感じる。そのアセイラムが天下を取って戦いは終わり、地球は平和になりましたって馬鹿じゃないの。結局ほぼ最悪の結末だったな。火星の資源や文化はどうなる。お互いの差別感情は。そういったものに由来する指導者への反感は。そこらを全く無視で、上手く行ったように言うな。欺瞞がひど過ぎる。
あぁ、もう、もっと色々書きたかったけれどそろそろ止めよう。こうして、グダグダ書いた私の文章がまた盛大に時間を無駄している、というオチ。
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テーマ : ALDNOAH.ZERO アルドノア・ゼロ
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アルドノア・ゼロ BS11(3/28)#24
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アルドノア・ゼロ 第24話(終) 『いつか見た流星 -Inherit the Stars-』 スレインは最後死んだことにして謎の仮面騎士「アルドノア・ゼロ」になる!...と思ってた。
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【アルドノア・ゼロ】第24話『いつか見た流星 -Inherit the Stars-』 キャプ付感想
アルドノア・ゼロ 第24話『いつか見た流星 -Inherit the Stars-』 感想(画像付)
美しい思い出です。
静かで物悲しいラストシーンの最終回。
だた恋をして、誤解があって、憎み合って…
イナホとアセイラムたちの出会いもまた歴史では語れないエピソードなんでしょうね。
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アルドノア・ゼロ 第24話「いつか見た流星 —Inherit the Stars—」
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とは言え、一度始まってしまった戦争はそう簡単に止ま...
【アニメ感想】アルドノア・ゼロ
原作 : Olympus Knights
監督 : あおきえい
ストーリー原案 : 虚淵玄
シリーズ構成 : 高山カツヒコ
キャラクター原案 : 志村貴子
キャラクターデザイン : 松本昌子
メカニックデザイン : Ⅰ-Ⅳ・寺岡賢司
メカ・エフェクトアニメーション : 橋本敬史
音響監督 : 明田川仁
音楽 : 澤野弘之
アニメーション制作 : A-1 Picture...