劇場版 PSYCHO-PASS

常守朱、世界を駆ける。

シビュラシステム、世界に掛かる。良い映画であった。


『PSYCHO-PASS』から数年後を舞台にした正当続編。一つの事件調査のため海外に行くことになるも、ことは現地の政治体制なども絡んだ意外と複雑な情況を呈していく。といういかにも劇場版らしいダイナミックな一本。続編かつ、劇場映画という立場に相応しいスケールを感じることが出来るであろう。程よくSFで、刑事もの(ミステリー色あり)で、アクション活劇で、とシリーズのエッセンスがつまってもいる。世界設定について最低限の説明もある、どころか今まで触れられていなかった説明もあったりなんかする。それ故何も知らない人が話の方向性を掴むのには二時間程度で終われる分、TVシリーズよりも向いているかもしれない。そういう点でも良い映画だ。

これは別に冗談で言っているわけでは断じてない。この映画は新作であるにもかかわらず、おそらく意図的にTVシリーズの展開を思わせるような展開や構造を幾つも作っている。その一つにシビュラシステムを邪悪な管理社会型ディストピア及びその支配者とするオチにしていないところが挙げられる。途中で批判的意見も出てくるし、視点人物である朱がそのやり方に腹を立てることもあるけれど、そこまで。最終的にはシビュラは社会の安定や人々の幸福のために手を尽くしているだけで、その結果も確かであり、故にシステム自体は否定されない。要は、落として上げる構造なのだ。

TVシリーズだと長々と何話も時間を掛けて落としている間に、本当に邪悪なシステムだと思い込んでしまい、ディストピアが砕かれないとはなんてひどい作品だ、などと見当違いの批判をする者が後を絶たない。その点、全ての要素を二時間程度の枠に押し込んだ劇場映画ならば、そのような誤解を受ける可能性は大きく減るだろう。わずか二時間弱の間に妙な偏見を抱くような知性の持ち主のことなど知るか。だからこの映画は初心者向けなのだ。


その他。今までは裏設定程度に過ぎなかったけれど今回ついに描かれたこと、日本と海外との違い。いやぁ、海外が思った以上にマッポーだったな。あんな派手なドローンを使って人間を殺しまわっているのはあの辺りだけ、と考えようにも、そもそも元は軍閥たちが内戦やってたんだから、人がポンポン死んでるのは以前からとしか思えない。ここに確かな安定的秩序を作れるのだからやはりシビュラシステムは偉大。


最後に明かされた結構衝撃的事実、日本は既にシビュラが演じる義体の影武者だらけ。そうであっても不思議ではない、ぐらいに思ったことはあったような気もするが、ハッキリ言われるとやはり驚く。日本は本当に文字通りシビュラに支配されていたのだな。まぁ、繰り返すがそれによる秩序や幸福は確かなので批判は的外れなのだが。これに限らず、本作のシビュラはやたら超越者じみていた。関係者を殆ど思い通りに動かしているのだ。まるでミステリーの操りの犯人だ。改めてシビュラ中枢構成員はすごい人たちなのだ、と思わされる。


あくまで一エピソードが終わっただけで、何かが決定的に終わったわけではないという終わり方。その気になれば続編を作れるだろうが、そろそろこの辺で終わって欲しい。長く引っ張りすぎて駄作が生まれても困るし。
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