PSYCHO-PASS2 第9話「全能者のパラドクス」
システムの隙間。
発想自体は面白い。よく考えたものだ。
犯罪行為を行っても、その前後では色相が変わらずクリアであったならば、それは免罪体質のようなものであり犯罪者扱いは出来ない。してしまったら免罪体質という前提を否定することになる。尤も、そんな事態は薬を使ったからといてそうそう引き起こされることではなく、考える必要もない展開だった。本来ならば欠陥とはとても呼べない、考える必要もない些細な隙間を狙ったのはとても面白い。システムを自己矛盾に陥らせる、実にSFだ。
ただなぁ、東金の出生もそうだが、免罪体質が随分と安売りされているのが引っ掛かる。それは最重要機密であり、誰も知らないのが重要だったのでは。なんで一企業が免罪体質を人為的に作る実験なんかするんだ、そもそも何故犯罪係数を図れるんだ。まぁ、東金財団が犯罪係数や免罪体質を知っているのは、むしろこの組織こそがシビュラシステムを作ったとでも言い出せば誤魔化せる。けれど、鹿矛囲が犯罪係数がどうすれば変わるか知っていて、それを前提にした計画を立てているのは明らかにおかしいぞ。一つ納得できると、一つおかしいことが出てくるな、この作品。
他にも、前々から思ってたけど、鹿矛囲たちに都合良く話が進み過ぎ。それでも、今までの立て籠もりや港は情報戦や心理戦を制した巧みな計画と言えないことはなかった。だが、今回だけは無理だ。役人が会合を開くのは頻繁にあったことらしい以上いつ見つかってもおかしくなかった。今回よりはるか以前の状態で見つかったかもしれないし、今回でも建物に火を放つより早く追いつかれる可能性もあった。この辺の詳細は想定不可能な筈だ。にもかかわらず鹿矛囲が余裕を絶やさなかったのは不条理過ぎる。話の都合で動いている感がすごい。
最後に突如として決着をつける作戦を始めたのもそう。今まで完璧に隠れて公安を弄んだ彼が突然このタイミングで偽装も無しに攻撃を始める理由は、番組がそろそろ終わるから、という外的理由以外まるで想像できない。つくづく鹿矛囲は話の都合で動いているようにしか見えない。
霜月の末路は中々予想を裏切ってくれた。死ぬわけでなし、執行官に堕ちるわけでなしシビュラを称えて、その傀儡に成り下がるとは。シビュラがこの世に齎す利益は確かなもので、朱は何がそこまで気に入らなかったのかよく分からないものがあるので、こういう反応はむしろ望んでいたところではある。とはいえ東金を否定できなくなった時点でこいつは死んだも同然の破滅よ。ブザマ、ブザマ。
そして、相変わらず東金だけが都合の良過ぎる展開も、無様を晒したところも、設定の大きな破綻も無い。順調に面従腹背が極まったような敵役をやっている。彼だけがこの物語に面白みを添える最後の希望だ。その結末が実に気になることだなぁ。
発想自体は面白い。よく考えたものだ。
犯罪行為を行っても、その前後では色相が変わらずクリアであったならば、それは免罪体質のようなものであり犯罪者扱いは出来ない。してしまったら免罪体質という前提を否定することになる。尤も、そんな事態は薬を使ったからといてそうそう引き起こされることではなく、考える必要もない展開だった。本来ならば欠陥とはとても呼べない、考える必要もない些細な隙間を狙ったのはとても面白い。システムを自己矛盾に陥らせる、実にSFだ。
ただなぁ、東金の出生もそうだが、免罪体質が随分と安売りされているのが引っ掛かる。それは最重要機密であり、誰も知らないのが重要だったのでは。なんで一企業が免罪体質を人為的に作る実験なんかするんだ、そもそも何故犯罪係数を図れるんだ。まぁ、東金財団が犯罪係数や免罪体質を知っているのは、むしろこの組織こそがシビュラシステムを作ったとでも言い出せば誤魔化せる。けれど、鹿矛囲が犯罪係数がどうすれば変わるか知っていて、それを前提にした計画を立てているのは明らかにおかしいぞ。一つ納得できると、一つおかしいことが出てくるな、この作品。
他にも、前々から思ってたけど、鹿矛囲たちに都合良く話が進み過ぎ。それでも、今までの立て籠もりや港は情報戦や心理戦を制した巧みな計画と言えないことはなかった。だが、今回だけは無理だ。役人が会合を開くのは頻繁にあったことらしい以上いつ見つかってもおかしくなかった。今回よりはるか以前の状態で見つかったかもしれないし、今回でも建物に火を放つより早く追いつかれる可能性もあった。この辺の詳細は想定不可能な筈だ。にもかかわらず鹿矛囲が余裕を絶やさなかったのは不条理過ぎる。話の都合で動いている感がすごい。
最後に突如として決着をつける作戦を始めたのもそう。今まで完璧に隠れて公安を弄んだ彼が突然このタイミングで偽装も無しに攻撃を始める理由は、番組がそろそろ終わるから、という外的理由以外まるで想像できない。つくづく鹿矛囲は話の都合で動いているようにしか見えない。
霜月の末路は中々予想を裏切ってくれた。死ぬわけでなし、執行官に堕ちるわけでなしシビュラを称えて、その傀儡に成り下がるとは。シビュラがこの世に齎す利益は確かなもので、朱は何がそこまで気に入らなかったのかよく分からないものがあるので、こういう反応はむしろ望んでいたところではある。とはいえ東金を否定できなくなった時点でこいつは死んだも同然の破滅よ。ブザマ、ブザマ。
そして、相変わらず東金だけが都合の良過ぎる展開も、無様を晒したところも、設定の大きな破綻も無い。順調に面従腹背が極まったような敵役をやっている。彼だけがこの物語に面白みを添える最後の希望だ。その結末が実に気になることだなぁ。
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「知りたいのはシビュラの色、そして あなた自身の色
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朱に付きつけられたメッセージ
そして、シビュラシステムの真実を知った美佳は東金さんに逆らえず…
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第9話「全能者のパラドクス」
シビュラの真相を知った霜月ちゃん。
自分を守るために受け入れちゃったわ!すっかり病みキャラじゃないですかw
拍手って・・・「おめでとう」で締め括った最終回を思い出しちゃったじゃないw
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できればエントリタイトルと画像は他にしたかったが、これ以上にGレコ11話を適切に表現したシーンはやっぱりない。悔しいwww
【アニメ感想】PSYCHO-PASSⅡ サイコパス 9話
前回の感想
東金さんが楽しそうでなによりでした。
ここまで盛り上げた(?)のだから、それなりの答えをカムイくんは出してくれるんだよね?
これで何もなく普通に倒されたら、ほんと茶番すぎて失笑ですよ。