アルドノア・ゼロ 第10話「嵐になるまで」
古代、火星には空気も水もあった。
あまりにくだらなすぎて、その発想は無かった。
ザーツバルムによると、元々火星には、少なくともアルドノアを用いた古代文明の頃には、水も空気も十分にあったが現在は殆ど無いから地球からの移民が住むのには限界があった。しかし二代目皇帝がアルドノアを妄信して、技術の発展ばかりを進め、不平の矛先を地球に向けるよう誘導した、という。火星古代文明の一端が明かされたと言えなくもないが、あまりにくだらなすぎて、逆に予想外だ。
火星には大気も水も碌に無く、生物が生まれる環境ではない。これはもはや常識だ。だから、まともな人間ほど火星人がやって来るというSFは殆ど書かなくなった。火星に生物がいるとするならそれは、テラフォーミングされた火星の住人、というのが主流だ。然るに、この作品は古代文明があった即ち太古に知的生物が居たのだという。一体、そこにどんなトリックを打ってくるのかと思ったら、“昔はあった”。くだらないというか安易というか単純というか。いずれにせよ想像もしなかった、したとしても真っ先に切り捨てたであろう可能性であった。
また、ザーツバルムはクルーテオの死後、その機体の回収をしていたようだ。ザーツバルム曰く、クルーテオには過ぎたおもちゃ。よくある流れとしてはこれをスレインが手に入れ、今回の最後に始まった決戦で暴れるというものが思いつき、実際その展開は見てみたい。また、大尉の回想に出ていたカタフラクトがデューカリオンのアルドノアを本来持っていたもので、同時にザーツバルムの婚約者のもの、という繋がりを持って出てきたりもした。ここまでわざとらしく引っ張ったクルーテオの機体が全く詳細不明で終わるとは考え難い。
しかしながら、アルドノアは権利者以外動かせないという単純ながら巨大な壁が立ち塞がる。王族同様アルドノアを自由に動かせる権利がある人だった、とか言い出せば良いと考える者もいるだろうが、それにしたってアルドノアは権利者以外動かせないと言うのは作中人物には疑う必要無き大前提なのである。誰が王族と関係ない身でアルドノア搭載機を動かそうと考えるだろう。この辺、筋の通った描写を望みたいものだ。ふと、ここまで言って気付いたのだが、ザーツバルム軍はどうってクルーテオの死後アレを持ち出したのだろう。あんな、明らかに重厚なものを。
ザーツバルムはあと、見事ロシアに辿りつき満を持して公に情報を公開し停戦を呼びかけるアセイラム姫の演説を握りつぶすことに成功した。これは良い意味で、単純すぎて予想しなかった展開だ。なんとなく、ロシアに行くまでの旅路が物語で、辿りついて情報公開をしたら一件落着になる流れだと思い込んでいた。よく考えると、別にザーツバルムがこの情報が流れるまま放っておいた挙句話に応じる必要は全然無いからな。そして、アセイラム姫の居た位置の特定に成功。逆にその場へ向けて襲撃をかける。いわば、完全にカウンターを決めた格好だ。実に盛り上がってきた。
一方、ライエがアセイラム姫を殺した件。一応、物理的にはちゃんと死んでいて蘇生処置で甦ったと言うのは良し。処置の描写も説得力があるものに見える。ただなぁ、事件の動機ともなってくるライエの発言が色々幼稚過ぎる。登場人物各位に考え方を振り分けてそのような考え方が向うところを描く類のやり方であることや、作中でもまだ若い年齢であることを差し引いても、あまりにひどい。あまりにつっこみどころが多過ぎるので逆に突っ込んだら負けなのではと思うぐらいだ。
ただまぁ、ライエ本人の発言ではないがこれだけはつっこませて頂きたい。事件の後にライエに対して伊奈帆が言ったこと。地球か火星人かが問題なのではなく云々。利害が一致しているから行動を共にするということなのだろうが、そういうことは普通未だ実害が無いうちに言うものだと思うのだが。あらゆる意味で地球側の中心とするべきアセイラム姫の殺害という大事件を起こした後であんなやり取りをされてもずれているというか。
あまりにくだらなすぎて、その発想は無かった。
ザーツバルムによると、元々火星には、少なくともアルドノアを用いた古代文明の頃には、水も空気も十分にあったが現在は殆ど無いから地球からの移民が住むのには限界があった。しかし二代目皇帝がアルドノアを妄信して、技術の発展ばかりを進め、不平の矛先を地球に向けるよう誘導した、という。火星古代文明の一端が明かされたと言えなくもないが、あまりにくだらなすぎて、逆に予想外だ。
火星には大気も水も碌に無く、生物が生まれる環境ではない。これはもはや常識だ。だから、まともな人間ほど火星人がやって来るというSFは殆ど書かなくなった。火星に生物がいるとするならそれは、テラフォーミングされた火星の住人、というのが主流だ。然るに、この作品は古代文明があった即ち太古に知的生物が居たのだという。一体、そこにどんなトリックを打ってくるのかと思ったら、“昔はあった”。くだらないというか安易というか単純というか。いずれにせよ想像もしなかった、したとしても真っ先に切り捨てたであろう可能性であった。
また、ザーツバルムはクルーテオの死後、その機体の回収をしていたようだ。ザーツバルム曰く、クルーテオには過ぎたおもちゃ。よくある流れとしてはこれをスレインが手に入れ、今回の最後に始まった決戦で暴れるというものが思いつき、実際その展開は見てみたい。また、大尉の回想に出ていたカタフラクトがデューカリオンのアルドノアを本来持っていたもので、同時にザーツバルムの婚約者のもの、という繋がりを持って出てきたりもした。ここまでわざとらしく引っ張ったクルーテオの機体が全く詳細不明で終わるとは考え難い。
しかしながら、アルドノアは権利者以外動かせないという単純ながら巨大な壁が立ち塞がる。王族同様アルドノアを自由に動かせる権利がある人だった、とか言い出せば良いと考える者もいるだろうが、それにしたってアルドノアは権利者以外動かせないと言うのは作中人物には疑う必要無き大前提なのである。誰が王族と関係ない身でアルドノア搭載機を動かそうと考えるだろう。この辺、筋の通った描写を望みたいものだ。ふと、ここまで言って気付いたのだが、ザーツバルム軍はどうってクルーテオの死後アレを持ち出したのだろう。あんな、明らかに重厚なものを。
ザーツバルムはあと、見事ロシアに辿りつき満を持して公に情報を公開し停戦を呼びかけるアセイラム姫の演説を握りつぶすことに成功した。これは良い意味で、単純すぎて予想しなかった展開だ。なんとなく、ロシアに行くまでの旅路が物語で、辿りついて情報公開をしたら一件落着になる流れだと思い込んでいた。よく考えると、別にザーツバルムがこの情報が流れるまま放っておいた挙句話に応じる必要は全然無いからな。そして、アセイラム姫の居た位置の特定に成功。逆にその場へ向けて襲撃をかける。いわば、完全にカウンターを決めた格好だ。実に盛り上がってきた。
一方、ライエがアセイラム姫を殺した件。一応、物理的にはちゃんと死んでいて蘇生処置で甦ったと言うのは良し。処置の描写も説得力があるものに見える。ただなぁ、事件の動機ともなってくるライエの発言が色々幼稚過ぎる。登場人物各位に考え方を振り分けてそのような考え方が向うところを描く類のやり方であることや、作中でもまだ若い年齢であることを差し引いても、あまりにひどい。あまりにつっこみどころが多過ぎるので逆に突っ込んだら負けなのではと思うぐらいだ。
ただまぁ、ライエ本人の発言ではないがこれだけはつっこませて頂きたい。事件の後にライエに対して伊奈帆が言ったこと。地球か火星人かが問題なのではなく云々。利害が一致しているから行動を共にするということなのだろうが、そういうことは普通未だ実害が無いうちに言うものだと思うのだが。あらゆる意味で地球側の中心とするべきアセイラム姫の殺害という大事件を起こした後であんなやり取りをされてもずれているというか。
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「アルドノア・ゼロ」の人工呼吸の描写からわかるクールな作風について
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例えば、人工呼吸のシーン。
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アルドノア・ゼロ 第10話 感想
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アルドノア・ゼロ 第10話「嵐になるまで -Before the War-」
「どうか この不幸に終止符を――」
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平和を願う姫様の声明は届かず 揚陸城を降下させるザーツバルム卿!
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