大海原の小さな光

自称・神が、アクシアを使えばプリキュアはパワーアップできると言い出しました。この世の悪を封じていたパンドラの箱みたいなものかと思えば、パワーアップアイテムに転職ですか。纏りが無いですね。しかも、パワーアップの手段としての名称がまたひどい。シャイニングメイクドレッサー、ネタを詰め込みすぎて何を言いたいのか全く分からん。

なお、この性質が今まで影も形も語られてこなかったのは擁護の余地があるであろう。自称・神がまがりなりにも知己であるミラージュを倒したくなかったが故に、決定打を出したくなかったというわけだ。そうであるならば、その彼がいよいよもってシャイニング（以下略）の解放を決めた、その意味は重い。

であるが故に、いきなり引き止めるめぐみの態度がイラついてしょうがない。私は元々、話を進めるために辛い事態が起きたり厄介ごとを担う破目になったのを知るもそれを受け入れて覚悟を決めた者に対して、お前だって本当はそんなことしたくないはずだ、とか何とか言って話の腰を折る輩及びそういう展開が吐き気を催すほど嫌いだ。そんなことは当事者が一番分かってるんだから、さっさと意を汲んで話進めてください。

しかも本エピソードの場合、めぐみたちは自称・神とミラージュとの因縁を今回まで詳しく知らなかったというオマケ付きである。幻影帝国を討つ為の強化を言い出したブルーをめぐみが止めた後に、詳しい因縁話が語られ始める。どう考えても話の順番が逆だ。本作の構成のおかしさもここに極まったね。


アクシアにシャイニング（以下略）の機能を目覚めさせるには、ひめの踊りを奉納すること。これまた非常に唐突な上、どう考えても今までの話に絡ませるのはそんなに困難だと思えない要素だが、まぁ、それっぽいから良し。ついでに、フォームチェンジが全て踊り、この物凄くどうでも良過ぎて誰も気にしていなかったであろう共通項が、実は伏線だったというのが巧妙過ぎてチャラということで。

シャイニング（以下略）出現をかけてひめを背景に幹部たちと直接対決。状況設定そのものはとても盛り上がる。だが、そこまで困難になることも無くシャイニング（以下略）が現れてプリキュアたちの勝利。今一つ盛り上がり切らない展開だ。そして幹部たちもそのまま終わると思いきや、何者かの手引きで甦り、帰っていった。うーん、明らかに必殺技が決まっているのにそこから復活可能って、こういうことやられると決着をつける説得力が困難になりかねないのだが大丈夫なんだろうか。

ついでに言うと、クイーンミラージュに悪意のある情報の売り込み方をしていたりもする。こいつの名はディープミラー。ディープミラーと話した後のクイーンミラージュは目が赤くなっていたりして明らかにまともな意識では無さそうに描かれている。また、分かりやすい諸悪の根源、黒幕が出たなぁ。


今回の記念企画は、ピース。普通に“平和”で良さそうなものを何故かじゃんけんにこだわった謎の人。オールスターズなどでは、すっかりバカ芸人ポジションにいると言えるかも。この度のアイサツでは、じゃんけんっぽい動きをしたがじゃんけんとは言っていないあたり、僅かばかりでも自重をしたようで少しだけ好感が持てる。