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<物語>シリーズ セカンドシーズン 第27~31話「花物語」

長い日々の向こう側。

このエピソードをこんな風に書くのは私ぐらいだろうな。


本作の放送日が色々あって八月十六日、即ち八月十五日を越えた直後になったのはなんとも面白い事態ではある。終戦記念日の直後、というのもあるがそれ以外に、である。本作の制作会社であるシャフトはつい最近まで『メカクシティアクターズ』を作っていた。これは、終戦記念日とは何の関係もなく、八月十五日が重要な意味を持つ作品だった。八月十五日周辺が何度も繰り返されたり、そもそも作品世界そのものが何度も同じような時を繰り返しているらしかったりして、最後には無事それを抜けて終わる。そんな話が終わった後、現実でもちょうど八月十五日を越えた直後に放送されるのはなんとも奇妙な符号である。


与太はさておき。見ての通り本作は『セカンドシーズン』の中でも他より優位に時系列が後であるが、原作の発表順では『傾』に次ぐセカンドシーズン三冊目である。原作は、このタイミングでこんなことを書いてしまったためこの後の展開がみんな何もかもぶち壊しになってしまった。阿良々木くんと戦場ヶ原とはどんな命がけの冒険をしようと、命を狙われようと、神原が進級するまでは絶対に死にっこないし、貝木は『恋』で語り部が死んだので話がここで途切れる、衝撃の結末、みたいな風に煽ったけど生きているのが明らかだという。

この、まさしく文字通り生まれるタイミングを間違えた、存在そのものが蛇足みたいなあり方のせいで原作に対する私の評価はあまり高くない。セカンドシーズンの中で下から二番目ぐらいだ。まぁ、私がセカンドシーズンの中で評価しているのは『猫(白)』と『傾』との二つしかないんだけど。それは、とにかく。アニメがあえて最後に持ってきたのは英断だとすら思う。アニメとしての出来栄えも上々。冗長な感じがあまりせず、(主にメタ方面での)くだらないギャグも少ない。真面目な話として突っ走り、バスケ勝負あたりで良い映像を見せつつ綺麗に終わっている。


尤も、手放しで褒めるわけにも行かない。主な事件は後のことなのに、このタイミングで言わないと他のエピソードで情報が足りなくなる伏線が幾つかある、という元々、原作自体が持っていたねじれがある。それは扇のことと、貝木のこととの二つだ。貝木のことは、彼が神原の母親、臥煙遠江と縁があって、そのせいで神原を特別扱いしているということ。これは『恋』での彼の行動に納得するのに必要な情報であり、他の箇所で言おうにも『花』での種明かしがくどくなるだけだから絶対に言えないという困った情報である。この情報が足りなかったばかりに貝木は戦場ヶ原に惚れていたから話を受けたのだ、という解釈が当然であるように広まってしまったのが私は悲しくてならない。

扇のことというのは、これはもう実際に作品を見てもらえば明らかだろう。間違いなく女性だったはずなのに男性になっていて、それが強引に納得させられてしまう。何故か自転車で後ろ向きに進む。後はその掴みどころのない会話もあるか。とにかく全面的にあらゆるものが不気味で理解し難い。見ているこちらが不安になってくるわけの分からなさ。これは扇の本質の一端だ。扇がセカンドシーズンの中で最も本質に迫るところを見せたのはここなのだ。原作を読んだとき私は、この『花』での夢か現か幻かつかない異様さがあればこそ、扇のことを警戒を持って見るようになった。実際アニメだけだと扇への印象が違う人がかなり多かったように見える。そのような事態が招かれたのが残念でならない。


本編は、時間が全てを解決するという持論の持ち主である今回の敵、沼地蠟花のキャラ付けが秀逸だ。「嫌なことがあったらどんどん逃げていいんだけれど、目を逸らしているだけじゃ、逃げたことにならない」『猫(白)』にあった阿良々木母のこの言葉はまさに名言であり私などは大好きなのだが、このような名言さえひっくり返してどんどん逃げる奴を敵にするというあたりに原作者のセンスを感じる。

その沼地とは似て非なる芸風を持つ貝木も見所だ。詐欺師としての手八丁口八丁ぶりは『偽物』や『恋』で見られるわけだが、ここでは超人的身体能力があることも分かる。いつも舌先三寸ばかりなので他の専門家たちに比べて怪異に対する直接的戦闘能力に劣っている印象があるが、アレだけの驚異的能力があるのを見せられれば忍野が当てにする一人なのも納得せざるを得ない。勿論、詐欺師としての手腕も全く衰えず巧妙に暗躍する。本当に貝木が良い味出している話だ。

あとは、卒業後の阿良々木くんかな。『猫(白)』同様おいしいところで出てくるタイプの展開である。それ以外本編中での活躍に関して言うことはありませんが、やけに長い髪や自動車のデザインが本当に良い感じにコメントに困ります。そして、登場直前の神原が走っているシーンは、それはいかに何でも走りすぎではないか、またシャフトお得意のやりすぎた演出か、と思ったけれど自動車で送ってもらうのに繋がることを思えばむしろ自然な絵なんですね。町を十時間以上かけて何周もして倒れる、という原作の描写よりは分かり易いし、ワザマエな描写だ。


兎にも角にも、これにてセカンドシーズンは終わり。さすがに、ファイナルシーズン映像化、のニュースはなかったか。まぁ、その前に『傷物』映画を早く作れ、と言っておくべきか。原作も、ファイナルシーズンついに完結、だそうだし、いかになんでもこれ以上は引き伸ばせないよな。
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