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PSYCHO-PASS 新編集版 第3話 

キチガイに刃物。

動機のある奴に道具。それが槙島。


ネットの有名人を殺して摩り替わるアバター乗っ取り事件の後編と、女子校の惨劇の前編。相変わらずわざとやってるんではないかというぐらい区切りが悪いが、それもここまで。向こうしばらくはここまでのように区切りが悪いことは無い、筈だ。きっと、たぶん、おそらく。


今回の追加部分。冒頭、どうも前回のラスト、アバター乗っ取りの犯人御堂将剛が新たな犯行をした直後らしい時点での槙島とチェ・グソンとの会話部分及び、狡噛が標本事件で佐々山が死んだときのことを回想というか夢に見ているところでその夢への加筆。後者が秀逸。話の繋がりからも不自然ではなく、元々こういうことをやりたかったのだと言われたら信じてしまいそう。過去話でも、狡噛と佐々山とが実際に話しているシーンは意外と貴重であり、そういう意味でも良い加筆である。

前者は前者で、動機のあるものに相応しい道具を与えることで犯罪を起こさせる、という槙島の芸風の伏線になっていて悪くない描写ではある。とはいえ、話の流れにはやや強引で、なんか追加描写をしなければという使命感から無理矢理入れた感があるのは少し惜しい。


今回狡噛が推理した通り槙島は本来出会う筈の無い人と手段とを結ぶことで犯罪を、犯罪者を作り出す。槙島自身としては犯罪ではなく、人の内面を見たい節があるがそれは置いておく。彼が作り出す犯罪は、しかし、シビュラシステムの管理が行き届いていれば本来起こり難いというだけの話であって、事件そのものはそれほど変ではないのである。もっとハッキリ言うと、シビュラシステムがあるから起こってしまった事件ではない。このことも本作が、シビュラシステムという人類を支配する管理社会型ディストピアを作るシステムがあるのでそれを打ち倒して人類を自由にしようとする話、などではないことを表している。


ところで、狡噛が槙島のやり方を推理したとき「いるかいないかも分からない幽霊を探している」なんて言われ方をしてたんですね。アバター乗っ取りのときは本人が死んだのにアバターが使われている現象を指して幽霊アバターなんて言われてた。まさか、この時期に幽霊という言葉がかぶっていたとは。内容の区切りなど考えずにエピソードを並べても意外な発見があるものだなぁ。

それとは別に、今回は新編集版ならではというか先の展開を知っているからこそ楽しめる要素が多い話でした。標本事件の実行犯藤間幸三郎と局長とは初登場がほぼ同時期だったとか。女子校の犯人が『タイタス・アンドロニカス』を好きと言うのは伏線とか。
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