大海原の小さな光

プリキュア一同はキングジコチューの元となったトランプ王国国王が未だ健在であることに気付き、彼を助けるため、キングジコチューの体内へと向かう。口から内部に向かうために引き付けるのも含めて、何回か「ここは俺に任せてお前は先に行け」をしながら、ついに心臓部にて国王を見つけたのだった。とりあえず、ありがちなイベントをやってみただけのようなストーリーに思わず苦笑い。大体、ロゼッタが巨大ランスを出し、キングジコチューがそれと戯れる、という引き付け方からして真面目さがまるで感じられない。

マナが何か中身の無い説教をしながら「命が燃え尽きるまで諦めない」などと抜かしたら、なんかすごい力が湧いてきてキングジコチューを倒せました。命が燃え尽きるどころか完全ノーダメージ、五体満足です。ご立派なことを言ったところでどうせ無事だろとは思ったが、予想を遥かに上回って無事です。お前のような奴が命を燃やすとか命がけとか言うな。実際に命がけで戦っている人にシツレイだ。とりあえず今回を描いたスタッフは『宇宙の騎士テッカマンブレード』でも見て、燃え尽きる命とはどういうことか、勉強し直していただきたい。

結局キングジコチューは（普段に比べれば）図体がでかいだけで物質的にも、それ以外の面でも大した被害も出さない、何一つ良いところを見せない退場となりました。巨大ランスを相手にしているということは周りの建物の数倍の大きさのものが取っ組み合ってるということの筈なのだが、それで大した被害が出ないとか、どんだけ非力なんだ。ついでに言うとキングジコチューの体内で襲ってきた連中も大概ショボイ。そして、闇は倒して国王だけ助ける、というこれまた何の捻りも無く安易な結末。一から十まで残念でならない展開だった。

キングジコチューが消えた後、トランプ王国国王に取り付き、キングジコチューを成していた闇の欠片がベールに取り込まれた。そうか、ようやくベールのナンバーワンの野望が実を結ぶときが来たか（棒読み）。ふう、ここまでだな。本作はただでさえベールのシリアスシーンは普段に輪をかけた過剰なギャグで潰される傾向にあるのに、他人の残りかすを取り込んでパワーアップって、それは最悪のフラグじゃないか。この展開は実際盛り上がったためしがない。


史上最も間抜けな正体ばらし。作戦会議中に、周りでニュースにされていることを知らず、自分で勝手に大声で正体を自白しました。回りの人々が老いも若きも声援を送り、それを受けて戦うヒロイン、というのをもって感動的演出にしたい意図は痛いほど伝わってくるが、根本が自爆では全てぶち壊しである。


次回。最終回。ラスボスが全然期待出来ない上、話としては無茶苦茶だったけどテーマ性も今回で大体終わってしまっているので、何一つ楽しみな要素が無いのが困る。