大海原の小さな光

晴人の小学生時代の恩師である今回のゲート。彼の希望にかかわる品は面影堂に売り払われた後、一人の男に買われていた。いざ出会ってみたその男は、大層なおもちゃコレクターであった。おもちゃといえど子供の遊び道具に使うわけではなく、そもそも触れさせもしない、コレクターの鑑のような男である。しかし何故か男の態度が糾弾される展開に。解せぬ。

目的のぶつを渡さないとファントムの被害が無駄に広がる。だからファントムから人間を守ろうとしている晴人にとって男みたいなのは邪魔、そこまでは分かる。だがそこで、男は息子と遊んでもやらなかった、とか言い出すのはよく分からない。挙句の果て、従順に思われた息子が実は以前から男に反感を抱いていて、問題のぶつを奪えというファントムの誘いにこれ幸いと自ら乗った、という真相及びそれを知って、こんなものがあるからいけないんだと先生自ら問題のおもちゃを叩き壊す展開には不自然しか残らない。

徹頭徹尾、親に遊ばれなかった子供というこれ自体ここまで影も形もなかった後付の要素のことしか考えられておらず、コレクターの男の心理がまるで考えられていない。彼にとっても新しいコレクションが壊されることは大事だったはずなのに、そんなことをまるで考えずに良い話風に終わらせようとしている。これで道を説く教師とは笑わせる。

最初の方で助手（笑）が白い魔法使いに会いたいからってゲートを餌にするような真似を、絶望してる方は大変なんだ、と晴人たちを非難するところがあった。それは少なくとも晴人にとっては良く効く正論であろうよ。しかしながら、それは立派な言葉として通じるのに、ゲート相手でなければ人が大事にしているものを踏み躙っても許されるというのだろうか。あまりにも支離滅裂である。結局のところ、製作者こそがコレクターって人種を理解してないんだとしか思えない。


ソラが、ワイズマンの目的や、コヨミのことから一つの結論にたどり着いたようだが、そのシーン自体があまりに唐突でむしろ間抜け。今まで知らずにえらそうに暗躍してたのか。

なお、ソラ自身の目的は賢者の石で人間になることだそうです。よくある、よくある。そういうのに私は問う。何故人間如きになりたい。こういうことを言う奴は大抵の場合は、人間からは憧れるほど面白い芸を持ってるものなのだが。ましてソラの場合は猟奇殺人者。ファントムのままの方が色んな意味で有利だろうに。